星座入門 おうし座

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おうし座のデータ
学名:Taurus
(タウルス)
略符:Tau
英語名:the Bull
設定者:プトレマイオス
(トレミー)
20時南中:1月24日
おうし座の絵入り星図

 おうし座 は,黄道十二星座の二番目に位置し,非常に古い歴史を持つ大きな星座です。4000年昔には,現在うお座 にある春分点がおうし座 にあったことから,重要視された星座でもあります。古代世界では牛が崇拝され,アルファベットの最初の文字"A"も,牛の顔の象形文字が起源になっています。

 おうし座 は,初冬の東の空に,にぎやかな冬の星座を先導するようにのぼってきます。オリオンの三つ星を結んで北西へ伸ばしたあたりがおうし座 で,1等星アルデバランと,肉眼でもよくわかる二つ散開星団,プレアデス星団とヒアデス星団を含みますので,見つけやすく,星をつなぐと形も整っています。

 牡牛の背中に当たるプレアデス星団は,日本でも“すばる”“六連星(むつらぼし)”“羽子板星(はごいたぼし)”などと呼ばれて親しまれてきた星で(プレアデス星団の和名),少し暗い空なら小さな三角の雲のように見え,目をこらせば6個か7個の星がかたまっているのがわかります。双眼鏡で楽しむのにも,絶好の対象です。下の星図の白い+印はおうし座 南中時の天頂の位置で,プレアデス星団は,空のかなり高いところに見えています。
 ヒアデス星団は,牡牛の目に当たる1等星アルデバラン周辺のV字形に並んだ星たちで,下の星図では太線で結んだ部分です。日本ではこのV字形を“釣鐘星(つりがねぼし)”などと呼んでいました(ヒアデス星団の和名)。

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 おうし座 は,ギリシア神話においては大神ゼウスが,フェニキア王女エウローペをさらうために変身した,雪のように白い牡牛の姿だとされています。
 野原で遊ぶ王女の前に現れた白い牛はおとなしく王女のそばにうずくまり,心を許した王女が背に乗ると,王女を乗せたまま海を越えてクレタ島へと渡り,エウローペはそこで3人の子どもを生んだのでした。エウローペが降り立った土地は,後にヨーロッパと呼ばれるようになり,3人の子のうち,ミノスはクレタ島の王に,ラダマンテュスは立法者に,サルペドンはリキュアの王になったということです。

 おうし座 の星の名前については星のるつぼをご覧下さい。

おうし座周辺の星図

こちらの星図でおうし座 を見つけてみましょう。
おうし座周辺の星図,星座線無



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