6月の星空
月前半は惑星に注目しましょう。3日には明け方の東の空で水星が西方最大離角を迎えます。薄明の午前4時の高さが8度なので肉眼で確認するのは難しいですが,すぐ北側に金星が並んでいますから,これを目印に双眼鏡などを使って確認してみましょう。
5/31に新月を迎えた細い月は,2日に土星の近くを通り,5日は木星の近くを通ります。土星は24日に合を迎えるため低くて肉眼で見ることは難しいですが,5日の木星は午後7時半に高度40度ですから,十分に見ることができます。数日間観察すると,月と惑星の動きがよくわかると思います。
6日のしし座η星の接食は,今年一番の条件がよい接食です。見られるのは,おおよそ新潟県村上市と福島県北部の海岸を結ぶ線上で,この線より南の地域では,星が月に隠される星食(えんぺい)となります。接食の線上へ行くことができる人は,ぜひ月の凹凸に見え隠れする星の姿を楽しんでみましょう。
なお,星食となる地域の潜入時刻は,東京20時44分,福岡20時27分です。
また,20日には有名な変光星ミラが極大を迎えますが,残念ながら6月にミラを見るのは難しいでしょう。7月半ばになると,午前3時頃で30度くらいまで昇っています。夜明けが早い季節ですが,明るくなったミラは肉眼でも確認できます。極大後しばらくは明るいので,7月に入ったら探してみてください。
午後8時(20時)に南中を迎える,観察しやすい星座たちです。
【上旬】 おとめ座 ・ ケンタウルス座 ・ りょうけん座
【中旬】
【下旬】 うしかい座 ・ コンパス座(☆)
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。
【球状星団】 M3 (りょうけん座), NGC5139 (ω星団,ケンタウルス座)
【銀河(系外星雲)】 M81・M82 (おおぐま座), M51 (子もち星雲,りょうけん座), かみのけ座〜おとめ座銀河群
惑星用語の説明はこちら。
日 | 曜 | 月 | 天文現象 |
3 | 火 | 水星が西方最大離角:15時(+0.6等,離角24度26分) | |
5 | 木 | 夕刻西空で月と木星が接近。 | |
6 | 金 | 芒種:11時20分。太陽の黄経が75度になる。 しし座η(3.5等)の接食(北限界):20時54分 | |
8 | 日 | 上弦:05時28分 | |
11 | 水 | 冥王星が衝:1時(+14等,へびつかい座) 入梅:16時48分。太陽の黄経が80度になる。 | |
13 | 金 | 月が最近:8時。視直径33分08秒 | |
14 | 土 | 満月:20時16分 | |
20 | 金 | くじら座ο(ミラ,周期332日,変光範囲2.0等-10.1等)極大 | |
21 | 土 | 下弦:23時45分 | |
22 | 日 | 夏至:4時10分。太陽の黄経が 90度になる。 | |
24 | 火 | 土星が合:22時 | |
25 | 水 | 月が最遠:11時。視直径29分30秒 | |
28 | 土 | ポン・ウインネッケ流星群が極大:07時 | |
30 | 月 | 新月:03時39分 |