5月の星空
ゴールデンウィークは月が大きく星を見るのには適しませんが,満月となる5日の未明,久しぶりの皆既月食となります。ただし,東京では皆既前に,北海道東部では部分食が始まってすぐに月の入りとなり,観察できるのは西日本のみ。富山県と静岡県を結ぶ線より西では皆既が始まる頃に月没となり,佐賀県西部,長崎県,熊本県南部,鹿児島県を結ぶ線で,食最大時の月没となります。
実際には皆既を見ることは出来ませんが,参考までに東京における月食の時刻を下に示します。日本で次回見える月食についてはこちらをご覧下さい。
部分食始 | 皆既食始 | 食最大 | 皆既終 | 部分食終 |
3h48m | 4h52m | 5h30m | 6h8m | 7h12m |
惑星は,夕刻の西空で1日に金星が最大光度を迎え,日暮れの遅い5月でも十分に楽しむことができます。また,夕方の西空低くには明るくなることが期待されるニート彗星とリニアー彗星も姿を現しますので,中旬頃は空が開けた暗い場所へ行って彗星を探してみてはいかがでしょう。
水星は15日に西方最大離角を迎えますが,薄明が始まった午前4時の高度が5度程度なので,探すのは難しいでしょう。
23日のうしかい座α流星群は,最大時の流星出現数が1時間に3個程度で暗い流星が多いですが,月が小さく条件最良です。
30日の接食は,山形県北部と仙台市付近を結ぶ線上で見られ,2004年の接触の中では条件の良いものの一つ。この線より南側の地域では,星が月に隠される星食(えんぺい)となります。接食の線上へ行くことができる人は,ぜひ月の凹凸に見え隠れする星の姿を楽しんでみましょう。
翌日31日の小惑星Nemausaによる恒星食は,10.0等でへびつかい座 に輝く小惑星が,8.5等星のHIP80037を隠します。Nemausaは直径152kmの比較的大きな小惑星なので,岩手県・秋田県・青森県の広範囲で観測することができます。
午後8時(20時)に南中を迎える,観察しやすい星座たちです。
【上旬】 おおぐま座 ・ コップ座
【中旬】
【下旬】 かみのけ座 ・ からす座 ・ はえ座(☆) ・ みなみじゅうじ座(☆)
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。
【惑星状星雲】 NGC3242 (うみへび座), M97 (おおぐま座)
【散開星団】 M44 (プレセペ,かに座)
【球状星団】 M3 (りょうけん座), NGC5139 (ω星団,ケンタウルス座)
【銀河(系外星雲)】 M81・M82 (おおぐま座), M65・M66 (しし座), かみのけ座〜おとめ座銀河群
惑星用語の説明はこちら。
日 | 曜日 | 月 | 天文現象 |
1 | 土 | 八十八夜 | |
2 | 日 | 金星が最大光度:17時(-4.5等) | |
5 | 水 | 満月:05時33分 皆既月食:05時30分東京にて食最大 立夏:13時02分。太陽の黄経が 45度になる。 | |
6 | 木 | みずがめ座η流星群が極大:02時 月が最近:14時(視直径33分12秒) | |
11 | 火 | 下弦:20時04分 海王星が西矩:01時 | |
15 | 土 | 水星が西方最大離隔:06時(0.5等,離角26度00分,視直径8秒1) | |
16 | 日 | ニート彗星(C/2001 Q4)近日点通過 | |
17 | 月 | くじら座ο(ミラ,周期332日,変光範囲2.0等-10.1等)極大 | |
19 | 水 | 新月:13時52分 | |
21 | 金 | 小満:01時59分。太陽の黄経が 60度になる。 月が最遠:21時(視直径29分25秒) | |
23 | 日 | うしかい座α流星群が極大(好条件) | |
27 | 木 | 上弦:16時57分 | |
30 | 日 | おとめ座θ(4.4等)の接食(北限界):19時33分(東北地方) | |
31 | 月 | 天王星が西矩:22時 小惑星(51)Nemausaによる恒星食:20時55分(東北地方,減光2.0等,16.3秒継続) |