タップダンス

東北地方太平洋沖地震、私は丁度九州へ帰省しようとまとめた荷物を玄関に置き、家を出る直前でした。
2日前の地震の余震ですぐに収まるかと思いきや、揺れは強くなるばかり。もう終わるだろう、もう終わるだろうと何度思ってもおさまらず、これでもか、これでもかと揺れ続けました。

ベリーは最初の1/3は耐えていましたが、そのうちパニックになり悲鳴をあげてケージの中でバタバタと大暴れ。私は机の下へ潜るとかそういうことを思いつく暇もなくベリーのところへ走りより、45cm四方の大きな鳥かごを抱きかかえて声をかけ続けました。しかし、ベリーは暴れ続け、後ろでは家の中の物がバラバラと倒れて落ちていく音が。
途中から「もう終わるだろう」とは思えなくなり、ダメかもしれない?ダメかもしれない?という気持ちになりながら、長い間過ごしました。家の外では野鳥が乱舞し、木や電柱がゆさゆさ揺れていました。その後も何度も余震が来て、そのたびにベリーはパニック。
当然地下鉄は止まり、帰省できなくなった私はベリーに声をかけながら過ごしました。

以来、もともと三半規管が弱い私はずっと船酔い状態で気分が悪いのですが、ベリーも変で、今までの習慣をすっかり忘れ、人が座って落ち着いていない限りギャーギャーと尋常ではない叫び声を上げるようになり、本当に困っています。早く余震が落ち着いて欲しい。

ケージの中が好きなベリーなのに、地震以降、放鳥が大好きで不思議です。出すとものすごく嬉しそう。ケージの中が不安なのでしょうか? 外へ出すとご機嫌で、このお気に入りの場所で歌ったりタップダンスを踊ったりしています。
↓ タップダンスを踊るベリー。タップを踏んでいる音を聞くには、少し音量を大きめに。

地震のあと不思議とおやつをあまり食べなくなったベリーですが、体重には変化無し。それだけが救いな気がします。98g。

ブーム

どこのオカメちゃんもそうだと思いますが,ベリーにも「マイブーム」があります。一度きりのブームもあれば,数年経って思い出したように帰ってくるブームもあるし,そういう姿を見る度に,オカメインコの精神生活がかなり高度なものだということを感じます。

で,先週あたりから突然始まったベリーの謎なブーム。餌入れの上で,背を低くして,すごく小さな声で歌います。
何これ?!
しかもよほど気に入った楽しい歌い方なのか,日に日にこれをやる回数が増えています。最初は人が見ると止めていたけど,今では近くで動画を撮っても止めません。生殖行動か何か?とも思いましたが,こんなこと今までしたことないし…。

空へ消えて

 友人宅のオカメインコが飛んでいってしまいました。
 場所は東京都江戸川区,葛西あたり。名前はトトロ,人なつっこい手乗りオカメです。
 もしどこかでこの子を見かけたら,どうか保護して連絡を…。

トトロ (1) トトロ (2)

 昔の辛い体験を思い出しました。

 小学校三年生だった7月7日のこと。七夕飾りを作るのに夢中になっていた私は,後ろから私を追って飛んできた愛鳥に気づかずドアを閉め,挟まれた愛鳥は命を落としました。
 雛から育ててとても仲良しだった文鳥を,自ら死に追いやってしまった。
 9歳になったばかりの私にはあまりに重く辛いことで,滅多に泣かない子どもだったけれど,そのときだけは我慢できず,いつまでもいつまでも泣き続けました。どんなに泣いても泣いても,文鳥は冷たいまま。ついさっきまで元気に私を追いかけていたのに,もう二度と動かず,私に甘えてくれることもなくなったのでした。

 あの子の最期の絶叫を,今でも私は忘れることができません。
 ずっとずっと,死ぬまであの子のことを忘れないでしょう。
 その9歳の日からずっと,七夕の夜は私にとって逝ってしまった愛鳥のことを思い出す夜。七夕飾りは悲しくて,二度と作っていません。とてもとても作れない。

 あなたの分までベリーを大切にする。ベリーと楽しく過ごす。ぜったいに。
 そう,ぜったいに気をつける。ドアの開け閉めも窓の開け閉めもその他の危険なもの全てに。だから,お願い,許して。見守っていて。
 私はいつも,40年前に逝ってしまった文鳥に問いかけています。