秋田のおじいちゃんの家は瓦屋根つきの立派な門構え。
玄関の広い土間はひんやりしていた。
着物に割烹着姿の祖母はいつも台所にいて
従弟たちが家の中を走り回っていた。
遠くから来る私や妹のために
祖父はいつもサイダーと西瓜と桃を
たっぷり用意してくれていた。
従弟達と西瓜の面白い食べ方を競ったり
サイダーに浮かぶストローで遊んだりが面白かった。
早朝の庭で、祖父に摘み方を教えてもらいながら
大きく実ったトマトを摘み取った。
みんなで河原へ鍋っこ遠足に行ったし、
必ず泊まりがけで男鹿半島まで海水浴に行った。
祖父も祖母も私が就職する頃に逝ってしまい
楽しかった夏休みのお礼も言えなかった。
天国でもう一度会えれば良いのに。