風よ抱きとめて

     強い風に吹かれたら
     きっと折れない心が手に入る
     あるいは戻れぬ場所へ飛んでゆける

     激しい雨に打たれたら
     きっと濡れない瞳が手に入る
     あるいは溶けて消えられる

     厳しい寒さに凍えたら
     きっと固く凍った想いが手に入る
     あるいは凍えを知らぬ氷になれる

     雨に打たれ雪に埋もれ
     風に凍え灼熱で焼かれた
     なのに今日もわたしは生きている

     夢も輝きも君と共に消えたのに

風よ抱き留めて

二度と帰れない遠くまで飛んでゆこう。翼があるうちに。