5月の星空
ゴールデンウィーク中はみずがめ座η流星群が条件良好ですが,秋の星座みずがめ座にある輻射点が昇ってくるのは明け方ですから,観測可能なのは日の出前2時間くらいです。
またゴールデンウィーク開けの7日には,珍しい水星の日面通過が見られます。前回は1999年11月16日でしたが,次回は2016年まで見られません。食の途中で水星が沈んでしまいますが,ぜひ観望してみましょう。各地の予報時刻は次の通りです。
地名 | 第1接食 | 第2接食 | 食最大 | 水星没 |
札幌 | 14h11m | 14h15m | 16h51m | 18h40m |
京都 | 14h11m | 14h16m | 16h50m | 18h47m |
福岡 | 14h11m | 14h16m | 16h50m | 19h04m |
那覇 | 14h12m | 14h16m | 16h50m | 19h03m |
観望は,望遠鏡で投影したり太陽専用フィルタを使ったりして,太陽黒点を見るのと同じ方法で行います。決して太陽を肉眼で直接見てはいけません。太陽を見てみようを参考にしてください。写真は1993年11月の水星日面通過の様子で,太陽面に水星の黒い影が見えています。
さらに月末29日には,昼間になりますが,新月が近い細い月(月齢27.7)に金星が潜入する金星食が見られます。東京から福岡にかけての地域では,月のほぼ中央を金星が通過し,札幌でも沖縄でも全過程が観測できます。
金星の光度は-3.9等と明るいので,望遠鏡で見つけるのは困難ではありません。各地の潜入・出現時刻の予報は下記の通りです。食の観望についてはえんぺいを見てみようを参考にしてください。
地名 | 潜入時刻 | 出現時刻 |
札幌 | 14h05m | 15h10m |
東京 | 14h00m | 15h22m |
福岡 | 13h46m | 15h16m |
午後8時(20時)に南中を迎える,観察しやすい星座たちです。
【上旬】 おおぐま座 ・ コップ座
【中旬】
【下旬】 かみのけ座 ・ からす座 ・ はえ座(☆) ・ みなみじゅうじ座(☆)
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。
【惑星状星雲】 NGC3242 (うみへび座), M97 (おおぐま座)
【散開星団】 M44 (プレセペ,かに座)
【球状星団】 M3 (りょうけん座), NGC5139 (ω星団,ケンタウルス座)
【銀河(系外星雲)】 M81・M82 (おおぐま座), M65・M66 (しし座), かみのけ座〜おとめ座銀河群
惑星用語の説明はこちら。
日 | 曜日 | 月 | 天文現象 |
1 | 木 | 月が最遠:17時。視直径29分24秒 新月:21時15分 | |
6 | 火 | 立夏:7時10分。太陽の黄経が 45度になる。 みずがめ座η流星群が極大:20時 | |
7 | 水 | 水星の日面通過 小惑星ジュノーが衝(+10.1等) | |
9 | 金 | 上弦:20時53分 | |
14 | 水 | 火星と海王星が接近:17時43分(1度59分) | |
16 | 金 | 満月:12時36分 南北アメリカや西アフリカで皆既月食 | |
21 | 水 | 小満:20時12分。太陽の黄経が 60度になる。 | |
23 | 金 | 下弦:09時31分 うしかい座α流星群が極大の頃 | |
27 | 火 | 水星と金星が接近:2時30分(2度11分) | |
28 | 水 | 月が最遠:13時。視直径29分26秒 | |
29 | 木 | 白昼の金星食(光度-3.9等) | |
31 | 土 | 新月:13時20分 グリーンランドやアイスランドで金環日食 |