4月の星空
夜の訪れが刻々と遅くなり春霞もかかる4月,星の観望には今ひとつですが,夜半にかけて木星が観測好期です。透明度は悪くても春先は空気が安定しますから,望遠鏡を向けてみましょう。
夕刻の西空には宵の明星が出ています。三日月が懸かる23日前後,細い月と金星,火星,それに土星が夕空に集合し美しい会合風景が見られます。
16日のおとめ座流星群と22日のこと座κ流星群の極大は,19日の新月を挟んでいて条件良好です。
おとめ座流星群はピークが不明瞭ですが火球が出現することがあり,こと座κ流星群は1時間に10個程度の流星群ですが,1980年,1982年,1991年には突発的に沢山の流星が観測されました。
26日のふたご座76番星の星食は,月齢7.0の月に5.3等星が進入する姿が日本全国で見られます。東京では,恒星が月のほぼ中心を通ります。
27日はかに座υ1・υ2の北限界の接食が見られますが,どちらも2004年に見られる接食の中ではまずまずの条件です。υ1の接食は根室半島の近くにある浜中湾と稚内を結ぶ線上で,υ2の接食は,志摩半島の南の付け根と兵庫県の香住海岸を結ぶ線上で見られ,この線より南側の地域では,星が月に隠される星食(えんぺい)となります。午後8時(20時)に南中を迎える,観察しやすい星座たちです。
【上旬】 らしんばん座
【中旬】 ほ座
【下旬】 うみへび座 ・ カメレオン座(☆) ・ こじし座 ・ しし座 ・ ポンプ座 ・ ろくぶんぎ座
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。
【惑星状星雲】 NGC3242 (うみへび座), M97 (おおぐま座)
【散開星団】 M44 (プレセペ,かに座)
【銀河(系外星雲)】 M81・M82・M101 (おおぐま座), M65・M66 (しし座), かみのけ座〜おとめ座銀河群
惑星用語の説明はこちら。
日 | 曜日 | 月 | 天文現象 |
4 | 日 | 清明:19時43分。太陽の黄経が 15度になる。 | |
5 | 月 | 満月:20時03分 | |
8 | 木 | 月が最近:11時。視直径32分07秒 | |
9 | 金 | 小惑星(253)Mathildeによる恒星食:21時43分(東北地方,減光5.3等,4.6秒継続) | |
12 | 月 | 下弦:12時46分 | |
16 | 金 | 水星が内合:23時 おとめ座 流星群が極大の頃(ピーク日不明瞭) | |
17 | 土 | 春の土用の入り:01時11分。太陽の黄経が 27度になる。 | |
19 | 月 | 新月:22時21分 部分日食(アフリカ大陸南部から南極) | |
20 | 火 | 穀雨:02時50分。太陽の黄経が 30度になる。 | |
22 | 木 | こと座κ 流星群が極大:7時(好条件) | |
23 | 金 | リニアー彗星(C/2002 T7)近日点通過 | |
24 | 土 | 月が最遠:09時。視直径29分29秒 | |
26 | 月 | ふたご座76番星(5.3等)の星食:22時55分,潜入 | |
27 | 火 | かに座υ1(5.7等)の接食(北限界):20時18分(北海道地方) かに座υ2(6.4等)の接食(北限界):21時10分(近畿地方) | |
28 | 水 | 上弦:02時32分 |