10月の星空
日本では,特に際だった天文現象が起こらない10月です。惑星は,水星が5日に外合。
3日の小惑星による恒星食は,小惑星Lumenがぎょしゃ座 の9.4等星を掩蔽し,掩蔽帯は日本列島に沿うように対馬から東北,北海道東部を通っています。ただし,月齢18.1の月が上っています。
ふんわりと優雅に流れるのが特徴のジャコビニ流星群は 8日に極大を迎えます。近年母彗星の回帰がなくても少数ながら見られるようになってきているジャコビニ流星群ですが,今年は好条件。母彗星のジャコビニ・ヂンナー彗星の次の回帰を2005年にひかえて要注意です。
14日の部分日食は北へ行くほど食分が大きくなり,最大食分は東京で0.239。九州南部と沖縄では見ることができません。日食の観測方法については,こちらをご覧下さい。
各地での予報時刻と食分は,下表のようになっています。
場所 | 欠け始め | 食最大(食分) | 食の終わり |
稚内 | 10h23m | 11h29m(0.419) | 12h35m |
札幌 | 10h27m | 11h31m(0.380) | 12h36m |
仙台 | 10h37m | 11h38m(0.300) | 12h38m |
東京 | 10h45m | 11h40m(0.239) | 12h36m |
名古屋 | 10h48m | 11h37m(0.181) | 12:26 |
京都 | 10h49m | 11h35m(0.158) | 12h22m |
大阪 | 10h51m | 11h35m(0.147) | 12h20m |
広島 | 10h56m | 11h31m(0.086) | 12:06 |
福岡 | 11h07m | 11h29m(0.033) | 11h51m |
長崎 | 11h19m | 11h30m(0.007) | 11h40m |
21日の夜に極大となるオリオン座 流星群はハレー彗星関係群で,こちらも好条件。毎年コンスタントに1時間15〜20個ほどの流星を見せてくれる群ですから,空を見上げてみましょう。
午後8時(20時)に南中を迎える,観察しやすい星座たちです。
【上旬】 インディアン座(☆) ・ こうま座 ・ はちぶんぎ座(☆) ・ やぎ座
【中旬】 ケフェウス座
【下旬】 つる座 ・ とかげ座 ・ ペガスス座 ・ みずがめ座 ・ みなみのうお座
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。
【惑星状星雲】 M27 (あれい状星雲,こぎつね座), M57 (環状星雲,こと座), NGC7293 (らせん状星雲,みずがめ座)
【散光星雲】 NGC7000 (北アメリカ星雲,はくちょう座)
【球状星団】 M2 (みずがめ座), M15 (ペガスス座), M30 (やぎ座), M56 (こと座)
惑星用語の説明はこちら。
日 | 曜 | 月 | 天文現象 |
3 | 日 | 小惑星(141)Lumenによる恒星食:02時22分(東北・北海道地方,減光3.3等,9.4秒継続) | |
5 | 火 | 水星が外合:11時 | |
6 | 水 | 月が最遠:07時(視直径29分33秒) 下弦:19時12分 | |
8 | 金 | 寒露:07時49分。太陽の黄経が 195度になる。 ジャコビニ流星群の極大:11時(好条件) | |
14 | 木 | 新月:11時48分 部分日食:東京で10時45分始 | |
18 | 月 | 月が最近:09時(視直径32分30秒) | |
20 | 水 | 秋の土用の入り:10時27分。太陽の黄経が 207度になる。 | |
21 | 木 | オリオン座 流星群が極大:4時(好条件) 上弦:06時59分 | |
23 | 土 | 霜降:10時49分。太陽の黄経が 210度になる。 | |
24 | 日 | 土星が西矩 | |
26 | 火 | 十三夜 | |
28 | 木 | 満月:12時07分 アフリカ大陸西部から南アメリカ東部にかけて皆既月食 |