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今年は5月4日が満月で,今年のゴールデンウィークは月の影響を受けて星空観望には適しません。このため,例年ゴールデンウィーク中に観測されるみずがめ座 η流星群の極大も条件最悪となります。
5日には有名な長周期(ミラ型)変光星であるミラ(くじら座ο)が極大を迎えますが,くじら座は秋の星座で5月は丁度観測が難しい季節です。ミラの極大周期は約11ヶ月なので1年に1ヶ月ほどずれていきますから,数年後に期待しましょう。変光星の観測については 変光星を見よう をご覧ください。
7日の夕空で水星が東方最大離角を迎えます。日が長い季節ですが,午後7時30分の東京での地平線高度は8.6°。水星としてはかなり高い位置です。西空には明るい金星も輝いていて良い目印になりますので,空の開けた場所で双眼鏡などを使ってさがしてみましょう。
また,23日にはてんびん座で土星が衝を迎えます。衝の頃の惑星は,日没頃には東の空に昇り,真夜中に南中,日の出の頃に西空へ没するため一晩中見えています。
てんびん座は黄道12星座の中で最も南の空の低い位置で南中する星座であるため,シーイングの影響を受けやすくなります。しかしながら春はシーイングが比較的安定する季節でもありますから,穏やかによく晴れた日があれば望遠鏡を向けてみましょう。そして,望遠鏡の中の惑星の像がピッタリ止まって見えるような夜があったら,ぜひ高倍率で眺めてみましょう。スケッチして今年の姿を記録しておくと翌年との環の開き具合の違いがよくわかります。
2009年に真横から見た土星の環は,2019年へ向かってどんどん開いており土星らしい環を伴った姿が小望遠鏡でもわかりやすくなっています。
午後8時(20時)に南中を迎える,観察しやすい星座たちです。
【上旬】 おおぐま座 ・ コップ座
【中旬】
【下旬】 かみのけ座 ・ からす座 ・ はえ座(☆) ・ みなみじゅうじ座(☆)
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。
【惑星状星雲】 NGC3242 (うみへび座), M97 (おおぐま座)
【散開星団】 M44 (プレセペ,かに座)
【球状星団】 M3 (りょうけん座), NGC5139 (ω星団,ケンタウルス座)
【銀河(系外星雲)】 M81・M82 (おおぐま座), M65・M66 (しし座), かみのけ座〜おとめ座銀河群
日 | 曜 | 月 | 天文現象 |
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2 | 土 | 八十八夜 | |
4 | 月 | 満月:12時42分 準惑星(1)ケレスが西矩 | |
5 | 火 | くじら座 ο(ミラ,周期332日,変光範囲2.0等-10.1等)が極大光度 | |
6 | 水 | 立夏:4時53分。太陽の黄経が 45度になる。 小惑星(3)ジュノーが東矩 みずがめ座 η流星群が極大:23時(条件最悪) | |
7 | 木 | 水星が東方最大離角:14時(+0.4等,離角21°.2) | |
10 | 日 | 木星が東矩:15時0分 | |
11 | 月 | 下弦:19時36分 | |
15 | 金 | 月が最近:9時18分(視直径32分38秒) | |
18 | 月 | 新月:13時13分 | |
21 | 木 | 小満:17時45分。太陽の黄経が 60度になる。 | |
22 | 金 | みずがめ座 R(周期386日,変光範囲5.8等-12.4等)が極大光度 | |
23 | 土 | 土星が衝:11時(てんびん座,+0.0等,視直径18".5) | |
26 | 火 | 上弦:2時19分 | |
27 | 水 | 月が最遠:7時12分(視直径29分33秒) | |
29 | 金 | 19P/ボレリー周期水星が近日点を通過 | |
31 | 日 | 水星が内合:7時8分 |