バラ(薔薇,rose)

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バラの画像
【英国の花言葉】 全草 : 

 一重 : 単純

 濃紅花 : 内気な恥じらい

 白花 : 私はあなたにふさわしい

 黄花 : 愛の衰え

 赤と白の花 : 結合

 赤い蕾 : 清らかに美しい

 白い蕾 : 少女

 葉 : 望みをもってよい

 “バラ”は,バラ科バラ属 Rosa の植物で,約200種の野生種と多数の観賞用園芸品種を含み,日本にはノイバラやハマナスなど十数種が野生します。名前は,刺を持つ植物を指す“イバラ”(茨)が略されたもの。
 観賞のほかバラ水・バラ油などの香料,花のジャム,花弁の砂糖漬などにも利用されます。

 日本で花といえば桜を指したように,西欧でのバラは美しい花の代表で,美・愛欲・純潔・愛など正負両面から意味づけされています。
 歴史や文化の世界では,15世紀のイギリスで起こった王位争い“バラ戦争”,17世紀初頭のドイツに興った神秘主義の秘密結社“バラ十字団”,キリスト教聖堂の正面上部にある円形の小窓“バラ窓”,ドイツ・フランス行われる“バラ祭”などの名が知られます。

 ギリシア神話では,愛と美の女神アフロディーテや,その息子エロスに捧げられる花で,恋人だった美青年アドニスが死んだとき,アフロディーテが流した涙からバラが生まれたという伝説も残っています。
 秘密にすることを英語で“バラの下で under the rose”といいますが,これは,アフロディーテが夫のヘファイストスに隠れてアレスと会っているのを隠すため,沈黙の神ハルポクラテスに赤いバラを贈ったという神話が由来。

 優美さと愛を示すバラは,中世では清らかさのユリと共に聖母マリアへ捧げられるようになります。
 また,男女が川にバラの花びらを投げたとき離れずに流れていけば結婚できる等の愛の伝説がある一方,病人が見る白バラの夢や秋に咲く白バラは死の象徴とされ,墓や死者にバラを供える風習を生んでいます。
 この他,西ボヘミアでは赤ちゃんの最初の産湯をバラの茂みに注ぐと赤く健康な頬を授かるといい,ドイツでは幼児洗礼の時に名付け親に贈るバラの蕾が長く新鮮であるほど子は長生きするといわれます。


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