ホームにて巡る景色を

あまりにも、あまりにも繰り返し、同じ場所で同じ電車を見送ったから、
もうあれが夢だったのか現実だったのか、わからなくなっちゃった。
夢だったらいいな、心が痛まないもの。でもたぶん現実だったね。
 
幾許もの季節をすり抜けて、記憶は君の元へ帰りたがっている。
帰る場所なんてないってことを理解できないらしい純粋さで。
 
ねぇ同じじゃないよ、今年のイルミネーションは色が違ってる。
ねぇ同じじゃないよ、今年の木々は去年ほど色づいていない。
ねぇ同じじゃないよ、今年の風景を君は愛していないじゃないか。
 
電車がゆくね、今日も明日も。夢の日が遠ざかってくね。

そして今日も、ホームであの日の電車を見送り続ける。

そして今日も、ホームであの日の電車を見送り続ける。