Eye-Fiにはまる

| No Comments | No TrackBacks
 去年末頃に日本でもEye-Fiが発売されました。(公式ページ)

 デジカメとかで使う,SDカードに無線LAN機能(WiFi)が搭載された物です。SDカードとしての機能はもちろんついていて2GBのメモリーとして使えます。見た目は普通のSDカードにしか見えませんが,きちんとMACアドレスもついているWiFiのクライアントです。
 Eye-FiはUSの会社のようで(カードにはMade in USAって書いてあります),電波を使う製品なので審査などの手続きを経て,昨年末に日本で発売となりました。最初にこの製品はニュースサイトかどこかで見たと思うのですが,「すげー」の一言で,無意味にわくわくしたものですが,日本で発売されてもあまり盛り上がっていないようです。レビューとかもほとんど見ませんし。

 手に入れようと電気街を歩き回ったのですが,製品が置いてないのはもちろん,店員も存在そのものを知らないようで,結局見つけられませんでした。公式ページにあるとおり?,直販か,Amazonか,楽天でしか買えないようです。結局Amazonで買いました。



 値段は1万円弱と,普通のSDカードと比較すると非常に割高ですが,まぁ無線がついているので仕方がないでしょう。

Eye-Fi_usb.jpg さて,このEye-Fiですが,無線のクライアント機器として動作しますので,まずはEye-Fiをアクセスポイント(AP)につながなくてはいけませ ん。というわけで,Eye-Fiを使う最初にはPCを使ってAPの登録が必要です。そして,この登録のためにSDーUSBの変換アダプターがついています。デザインは見ての通りよくないです。隣のUSBに干渉してよくありません。できれば延長ケーブルが欲しいところですが,設定作業はたまにするだけなのであまり気にしないことにします。

 今回はMacで設定を行いますが,いきなりトラブルです。

「Eye-Fiカードが認識できませんでした」

といったまま何もできません。USBとしてSDカードがあることは認識しているようで(マスストレージとして認識),内部にあるMac用のソフトウェアはインストールできたのですが,それから先に進めません。かなり悩みましたが,結論から言うとアンチウイルスが原因でした。英語のサポートページで症例が載っていました。そのごカード自体のファームウェアがアップデートしていますので,もう直っているかもしれません。ちなみに私が試したときのファームウェアのバージョンは2.0400でした。
 アンチウイルスの除外リストにEye-Fiを入れて作業続行。

 我が家で使っているAPはAppleのAir Mac Express です。これで,我が家にあるノートパソコン2台(MacとWin),PS3,PSP,iPod touch などを接続しています。Air Mac Express は暗号化方式としてWEPの他に,WPA,WPA2が選べるようになっています。それぞれ,パーソナルとエンタープライズと選べるようになっていて,WPA/WPA2 パーソナル,WPA2 パーソナル,WPA/WPA2 エンタープライズ,WPA2 エンタープライズの4種類が選べるようになっています。もはやこの辺で混乱が起きています。WPA/WPA2というのはWPAとWPA2の両対応だと言うことだと思います。

 パーソナルとエンタープライズの違いは,エンタープライズがRADIUSなどの外部の認証サーバを用いてEAPによる認証を行うIEEE802.1x方式なのに対して,パーソナルは外部にサーバを必要とせず,APの内部で認証管理を行うプリシェアード方式(PSK)を使います。家庭用では通常パーソナルです。

 WPAとWPA2の違いは使っている暗号方式の違いで一般的にはWPAではRC4が,WPA2ではAESということになっています。で,ここからが情報が錯綜していて混乱を招いているのですが,暗号鍵を更新するTKIPという方式がWPAでは使われています。これがWPA2でも使われているのかどうかと言うこと。WPA2ではAESは必須だと思っていたのですが,TKIPも使っていいようです。あと,WPAでもAESがあるということ。
 つまり,WPA/WPA2では以下の4方式があることになります。
1.WPA(TKIP+RC4)
2.WPA(CCMP+AES)
3.WPA2(TKIP+RC4)
4.WPA2(CCMP+AES)
 2と3はオプションなので,最近のほとんどの製品では1と4が使われていると思われます。したがって,世の中の認識としてはWPAといえばTKIPのことで,WPA2といえばAESとなっています。かなりややこしいです。

 で,問題なのは,AirMac Expess が発売されたとき,AESは搭載されていなかったという情報です。つまり,1と3の方式である可能性が高いです。(最近発売されているAirMacはExpressもExtremeもAESが実装されていると思います。)アップルのサイトには詳細な情報はありません。ヘルプを見てもわかりません。仕様ぐらいきちんと公開して欲しいと思います。

 そして,さらに問題をややこしくしたのが,Eye−FiはTKIPをサポートしていないという情報です。これは某ブログで発見しました。本当のところはわかりません。Eye-Fiも非常に情報が少なく,上述のUSのサポートページを見に行けば情報はあるかもしれません。

 正直,情報に振り回されて何が正しいのかわからなくなっていました。とりあえずEye-FiはTKIPが使えると信じて事を進めました。

 さらにややこしくしてくれたのが,WPA/WPA2のPSKのパスワードです。AirMacユーティリティでAPの設定をするのですが,仕様ではパスワードは8〜63文字のASCII文字列か,64ビットの16進数(HEX)です。我が家では64ビットのHEXを使っていました。上述の機器(Mac,Win,PS3,PSP,iPod touch)ではこのパスワードでうまく通信できていたのですが,Eye-Fiではどうしても通信できません。さんざん悩んだあげく,63文字のASCIIに買えてみたところ無事に通信できるようになりました。これの意味するところは何でしょう?AirMacユーティリティではパスワードを入力する際にASCIIかHEXかを明示的に選択する方法はありません。64文字のHEXを入力していたつもりでしたが,63文字のASCIIとして認識されていた可能性もあります。Eye-Fiでは64文字入力ができなかっただけなのかもしれません。真相はわかりません。

 とにかく,接続を試行錯誤しているうちに。何とかつなげました。ここまで苦労したのも久しぶりです。Eye-FiでTKIPが使えるのか,AirMacがファームアップでAESも対応したのか,パスワードがASCIIなのかHEXなのか。わからないことだらけでした。
 最近の製品は簡単に使えることに重点を置くあまり,明示的に仕様を明らかにしないものが増えている気がします。簡単に使えるけど,常に最新の製品を用意し,同じメーカで統一してくれと言う意図が見え隠れします。

No TrackBacks

TrackBack URL: http://mirahouse.jp/mtos/mt-tb.cgi/821

Leave a comment

About this Entry

This page contains a single entry by rnaito published on March 22, 2009 5:09 PM.

モーションブログにしたらデザインが崩れまくり was the previous entry in this blog.

貪瞋痴 is the next entry in this blog.

Find recent content on the main index or look in the archives to find all content.