2012年8月の星空

2012年8月の星空情報

　夏休みで星を見る機会が多くなる8月は，1日〜7日までスター・ウィークで，各地で星を見るイベントが開かれます。地域の情報などに注意しましょう。（スター・ウィークのホームページ）

　毎年お盆休みの頃に極大が訪れるペルセウス座流星群は，今年は下弦の頃に極大となり，月明かりはまずまずの条件です。夜半を過ぎると月明かりの影響を受ける上，極大時刻が21時と早めですから，12日の夜は早めに観測を始めましょう。ペルセウス座が高くなってくる夜半から明け方にかけてよく飛びますので，ピークの前日も夜明けの空で流星が見やすくなります。明け方になると15日と16日に相次いで西方最大離角を迎える金星と水星も見られます。
　流れ星を観察するときは，できるだけ空が暗い場所で，寝転がって空全体が見られるようにしましょう。ペルセウス座流星群は，多い年では1時間に60個くらいの流星が期待できます。観測を計画しておられる方は，流れ星を見てみよう のページを参考にしてください。

　12日に，有名な長周期（ミラ型）変光星，くじら座 ο（ミラ）が極大を迎えます。くじら座は秋の代表的星座ですから，夜半には見やすくなります。ミラは暗い時期は肉眼で見えませんが極大の頃は肉眼で見えるようになります。長周期変光星の極大日はあくまで予想の日付で，その前後1カ月くらい明るい状態が続きますので，晴れた日にさがしてみましょう。長周期変光星の実際の極大日は観測結果に基づき後から割り出されます。
　はくちょう座R 及び わし座R もミラと同じ長周期変光星で今年は見やすい時期に極大を迎えます。変光星の観測は星図を見ることができる人ならそれほど難しいことではありません。特に長周期変光星の増光の様子は劇的ですので，極大の１ヶ月くらい前から数日おきに観測すると変光がよくわかります。変光星の観測については 変光星を見よう をご覧ください。

　14日未明には金星食が起こりますが，沖縄本島では金星が月をかすめ一部のみが月に隠される接食となります。北に行くほど金星が隠されている時間は長くなり，月の明るい側に金星が潜入し，暗い縁からポンと出てくるところが見られます。星食の観察については えんぺいを見てみよう をご覧下さい。

　15日と16日は明け方の空で金星と水星が次々と西方最大離角を迎えます。16日朝，午前4時半の東京の水星の地平線高度は10.4°，すぐ近くに月齢27.7の細い月が懸かっていますからそれを目印に捜してみてください。双眼鏡などあれば見つけやすくなると思います。秋は黄道が地平線に対して立っていますので，離角が小さくても水星は見えやすくなり，コペルニクスも見られなかったと言われるこの惑星を見るチャンスです。

　23日にはみずがめ座 で海王星が衝を迎え，観望好期となります。海王星を捜すのは初心者には難しいですが，小望遠鏡で拡大すると，小さな小さな円盤状に見ることができます。公共の天文台の観望会などへ出かけると，見せてもらえるかもしれません。

　8月31日の満月は同じ月の2回目の満月で，2010年3月以来のブルー・ムーンとなります。

南中する星座　（夏の星座，夏の全天星図）

　午後8時（20時）に南中を迎える，観察しやすい星座たちです。

　【上旬】　へびつかい座 ・ ヘルクレス座 ・ りゅう座 ・ さいだん座（☆）
　【中旬】　へび座（尾部）
　【下旬】　こと座 ・ たて座 ・ みなみのかんむり座

　☆印の星座は南天の星座のため，日本からは見えません。

見やすい星雲星団　（星雲星団を見よう・星雲星団一覧表）

　【惑星状星雲】　M57 (環状星雲，こと座)，　M27 (あれい状星雲，こぎつね座)
　【散光星雲】　M8 (干潟星雲，いて座)，　M17 (ω星雲，馬蹄型星雲，いて座)，　M20 (三裂星雲，いて座)，　他，天の川に多数
　【散開星団】　M21・M23・M24・M25 (いて座)，　M6・M7 (さそり座)，　他，天の川に多数
　【球状星団】　M4・M80 (さそり座)，　M10・M12 (へびつかい座)，　M13・M92 (ヘルクレス座)，　M56 (こと座)
　【銀河（系外星雲）】　M51 (子もち星雲，りょうけん座)，　M101 (おおぐま座)

惑星用語の説明，月の形の変化について

日	曜	月	天文現象
2	木		満月：12時27分
7	火		立秋：11時31分。太陽の黄経が 135度になる。立秋以降は残暑見舞い。
10	金		下弦：3時55分 月が最遠：19時51分（視直径29分34秒） はくちょう座 R（周期426日，変光範囲6.1等-14.4等）が極大光度
12	日		ペルセウス座流星群が極大：21時（条件良） くじら座 ο（ミラ，周期332日，変光範囲2.0等-10.1等）が極大光度 わし座 R（周期284日，変光範囲5.5等-12.2等）が極大光度
13	月		185P/ペトリュー周期彗星が近日点を通過
14	火		アルゴル極小：1時3分 金星（-4.4等）の食：潜入2時45分，出現3時29分
15	水		金星が西方最大離角：18時7分（-4.3等，離角45°8'）
16	木		水星が西方最大離角：21時4分（+0.1等，離角18°7'）
17	金		火星（+1.1等）が土星（+0.8等）の南2°54"：17時43分
18	土		新月：0時54分 はくちょう座κ流星群が極大（条件最良）
23	木		処暑：2時7分。太陽の黄経が 150度になる。
24	金		旧暦七夕 月が最近：4時28分（視直径32分19秒） 上弦：22時54分
25	土		海王星が衝：3時16分（+7.8等，みずがめ座，視直径2秒4）
31	木		二百十日 満月（ブルー・ムーン）：22時58分

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