※転載・複製は,一切お断り致します。 |
惑星は2012年12月に衝を終えた木星が,夜の早い時間帯,おうし座 の中でまだまだ見ごろです。南西の空高く一番明るく輝いているのが木星ですから見間違うことはないでしょう。冬場は大気の揺らぎが激しく望遠鏡を覗いてもなかなか像が安定しませんが,天体望遠鏡をお持ちでしたら冬型気圧配置が弱まった風の弱い日に見てみてください。
また宵の西空に見えている水星が17日に東方最大離角を迎え見ごろとなります(左図)。水星はいつも太陽の近くにいて日没すぐに沈んでしまうため,見られる機会とても少ない惑星です。17日18時の東京における地平線高度は 9.8度で,これは大変良好な条件といえます。東の空が開けた場所で探してみましょう。双眼鏡があると見つけやすいと思います。
20日には種子島で オリオン座 χの接食が見られます。接食とは星食が見える地点と見えない地点の境目で見える現象で,星が月の表面の凹凸の隙間を縫うように通ってゆくのが見えます。北限界の接食の場合,接食が起こる線より南では,星が月に隠される星食(えんぺい)となります。
冬の星座は明るい星が多く豪華ですから,星座観察をしてみましょう。星座を結ぶのが苦手な人でも,オリオン座のような特徴ある星の並びがある冬は,他の季節より星座を見つけるのが楽になります。
春,2月〜4月は夕空の黄道光が観望好期です。黄道光は日没直後に黄道に沿ってぼーっと見える光芒ですが,空が暗く澄んだところでしか見られません。山などへ行く機会があったら,日没直後の西の空を注意して眺めてみてください。
午後8時(20時)に南中を迎える,観察しやすい星座たちです。
【上旬】 うさぎ座 ・ オリオン座 ・ がか座(☆) ・ テーブルさん座(☆) ・ はと座
【中旬】 ぎょしゃ座 ・ きりん座
【下旬】 おおいぬ座
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。
【惑星状星雲】 M1 (かに星雲,おうし座), M97 (おおぐま座)
【散光星雲】 M42 (オリオン大星雲,オリオン座)
【散開星団】 M35 (ふたご座), M36・M37・M38 (ぎょしゃ座), M45 (プレアデス,すばる,おうし座)
【銀河(系外星雲)】 M81・M82・M101 (おおぐま座), M106 (りょうけん座)
日 | 曜 | 月 | 天文現象 |
---|---|---|---|
3 | 日 | 節分 下弦:22時56分 | |
4 | 月 | 立春:1時13分。太陽の黄経が 315度になる。 アルゴル極小:22時50分 | |
6 | 水 | 月の赤緯が最南:9時25分 | |
7 | 木 | アルゴル極小:19時40分 月が最近:21時14分(視直径32分41秒) | |
10 | 日 | 新月:16時20分 | |
17 | 日 | 水星が東方最大離角:6時30分(-0.4等,離角18°.1) | |
18 | 月 | 上弦:5時31分 雨水:21時2分。太陽の黄経が 330度になる。 | |
19 | 火 | 月が最遠:15時29分(視直径29分32秒) 月の赤緯が最北:22時34分 | |
20 | 水 | オリオン座χ(4.6等)の北限界線接食(種子島):22時50分 | |
21 | 木 | 海王星が合:22時9分 | |
22 | 金 | 木星が東矩:9時4分 | |
25 | 月 | アルゴル極小:0時36分 | |
26 | 火 | 満月:5時26分。 | |
27 | 水 | アルゴル極小:21時25分 |