夢落ち

 ベリーが生き返った。
 久しぶりのベリー。私はちょっとベリーの世話の仕方を忘れていた。夕方になって,今朝水を替えていなかったことに気づいて慌てた。見てみると,シードはほぼなくなっているし,水と小松菜はひっくりかえっている。
 これはまずい! ベリーが病気になってしまう!
 私は慌てて水の容器をケージから出し,ベリーにはとりあえず新しい粟穂を与えた。水や小松菜の準備をしている間に美味しく楽しく粟穂を食べておとなしくしてくれるはずだ…。
 そうだ,ベリーが帰ってきたのだから健康診断も予約して連れて行かないと。ベリーは小鳥病院の主治医さんが大好きだったから,彼女に会えたら喜ぶだろうな。ベリーを看取ってくれた彼女は生き返ったベリーを見て何と言うだろう? 小鳥病院の美味しいシードと粟穂も買ってこなくっちゃ。


 そして私は夢だったことを知る。
 当然だ,ベリーが生き返る筈ない。あの日ちゃんと見送ったのだ。

 それに,実際にベリーがいたら,水を替えるのを忘れるとかあり得ないだろう。一日中私はベリーのケージを見ていたし,ベリーは声を出して何かしら私に訴えていたのだもの。

 切なさに襲われて,朝の1枚,オカメインコのフィギュアを撮った。

(2025-01-10)
(2025-01-10)

 この冠羽の後ろの頭の形,クロスした翼,翼の間から除く白い毛。ベリーに似せて塗り直したこのフィギュアは,後ろ姿が一番ベリーに似ているのだ。この子はほんの数ヶ月だったけれどベリーとの時間も共有した。

(2022-06-13)
(2022-06-13)
(2020-11-14)
(2020-11-14)

 ベリーに会いたいなぁ。会いたいなぁ。会いたいなぁ。
 毎日毎日そう思い続けている。思わなくなる日は来ないのだろう。
 この辛さはベリーと過ごせた充実した時間の証なのだと思って,それを慰めに今日も心はベリーとともにある。

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静寂に音を感じた時のこと

 「喉元過ぎれば熱さを忘れる」とか「失って初めてその価値が分かる」とか,物事の重要性を認識することについての慣用句や諺がいくつかある。「灯台もと暗し」とか「井戸を枯らして水のありがたさを知る」もその一例だろう。

 人は忘れるし,人は気がつかない。
 人は突然気がつき,また忘れる。

 ベリーを失ってからそれを考えない日は一日たりともない。ベリーを思い出さない日などもちろん皆無だし,今でもほぼ一日中ベリーのことを考えている。ベッドの中で,讃美歌を歌ってベリーを見送った時のことを鮮明に思い出してとても眠れなくなることもある。
 こんなにもベリーのことを考え続けているのに,ただ,ベリー本人に会えないってことだけが変わった。
 そしてきっと思い出せることも減っている。

(2021-12-26 10:34)
(2021-12-26 10:34)

 ベリーと過ごした最後のクリスマスは2021年だから,ベリーがいないクリスマスは今年が3回目だ。
 最後の2年くらいは,「今年で最後になるかもしれないから」「最後にならないでね」って両方の気持ちを抱えてクリスマスにベリーにサンタ帽を被せて怒られていた。ベリーに怒られるのが幸せだった。ベリーはすっごく嫌がっていたけれど,かまわれているという点ではまんざらでもなかった筈だと思う。

 ベリーと過ごした2021年12月。
 これがベリーがいる日常だった。

(2021-12-08 10:31)
(2021-12-08 10:31)
(2021-12-08 08:02)
(2021-12-08 08:02)
(2021-12-09 13:10)
(2021-12-09 13:10)
(2021-12-09 13:10)
(2021-12-09 13:10)
(2021-12-12 09:15)
(2021-12-12 09:15)

 このピンクの布を背中に乗せてベリーはよく歌を歌った。
 この茶色の紐で,ベリーと綱引きをして遊んだ。
 両方とも旅立つベリーに持たせてあげた。

(2021-12-13 09:16)
(2021-12-13 09:16)

 よく思う。
 ベリーがどんな風に生きていたかを一番理解したのはいなくなった直後だったのかもしれないと。ベリーが立てていたあらゆる音,ベリーが音を立てていた状況が,日常生活の一つ一つの場面で手に取るように脳内に溢れ出て思い出された。
 その音がその状況で存在することが普通過ぎて,注意を払っていなかったのだ。
 無くなって初めてベリーが立てる音がどれほど静寂から私を救っていてくれたかがわかったのだった。

 2年半が過ぎて,静寂にもかなり慣れてきた。
 ベリーの音は,どうあがいてももう聞けないのだから慣れるしかない。
 だが思い出しながらこんなことを書いていると涙がボロボロ流れてどうしようもないのだ。
 ベリーは幸せだったかなぁ。幸せだったと思ってくれていたら嬉しいなぁ。あぁ本当に会いたい,会いたい。

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20. デジイチ時代がやってきた (2)

 2003年生まれのベリーのお迎え当初の撮影は,主に Nikon COOLPIX800 だった。
 ベリーお迎えから2ヶ月半後の2004年1月末,初めてのデジタル一眼レフカメラ Fujifilm FinePix S2 Pro を手に入れ,ベリーを撮りまくった。

 やっとベリーの綺麗な写真が撮れるようになった嬉しさよ!

  • 2004年01月31日(土) 朝82g お迎えから92日目
(2004-01-31 21:02:44, Fujifilm FinePix S2 Pro)
(2004-01-31 21:02:44, Fujifilm FinePix S2 Pro)

 小松菜を食べてくれるのは嬉しいが,土を食べようとするのでパインチップで土を隠したが,今度はパインチップをかじって遊ぼうとする。
 黴が生えていたらいけないし,それも止めてくださいベリーさん。鉢植えから直接野菜を食べさせるのは諦めた方が良いのだろうか?

(2004-01-31 21:02:53, Fujifilm FinePix S2 Pro)
(2004-01-31 21:02:53, Fujifilm FinePix S2 Pro)
(2004-01-31 21:03:16, Fujifilm FinePix S2 Pro)
(2004-01-31 21:03:16, Fujifilm FinePix S2 Pro)
(2004-01-31 21:03:35, Fujifilm FinePix S2 Pro)
(2004-01-31 21:03:35, Fujifilm FinePix S2 Pro)
(2004-01-31 21:03:36, Fujifilm FinePix S2 Pro)
(2004-01-31 21:03:36, Fujifilm FinePix S2 Pro)
(2004-01-31 21:03:52, Fujifilm FinePix S2 Pro)
(2004-01-31 21:03:52, Fujifilm FinePix S2 Pro)
(2004-01-31 21:04:00, Fujifilm FinePix S2 Pro)
(2004-01-31 21:04:00, Fujifilm FinePix S2 Pro)
(2004-01-31 21:04:14, Fujifilm FinePix S2 Pro)
(2004-01-31 21:04:14, Fujifilm FinePix S2 Pro)

 とにかく小松菜にご執心で植木鉢からなかなか離れようとしないベリーなのだった。

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