ごそごそ

 ベリーは作業好きオカメだった。

 他人が作業をしていると近くに見に来る。うちにやってきた当日からそうだった。
 初めて来た家だというのに全く物怖じせずに,まだ挿し餌の雛のくせに,飛ぶこともままならないくせに,一生懸命近くへやってきて,熱心に作業を眺めていた。

 人が何かやっていると—例えばパソコンのメンテとか,プラモ作りとか手芸とか諸々—ベリーは徐にケージから出て,そばへやってきて時に道具を咥えて持ち出したりして邪魔しながら眺め,人が席を外すとこれ幸いと作業中の物を点検していた。

 そうやって見に来ることもあったが,人が何かごそごそと作業をしていると,ベリーも負けじとごそごそ作業を始めることもあった。ケージの底の新聞紙を破ったり,部屋の中の木箱を囓ったり,小松菜を切り刻んだり。
 ごそごそしているときは目が合うだけで「フッ!」と怒られたものだ。
 ベリーに怒られるのも楽しかった。

 ベリーも怒られて楽しそうだったから,お互い様だったわけだ。

(2021-12-27)
(2021-12-27)
(2021-09-16)
ケージ大掃除の後(2021-09-16)
(2021-07-19)
(2021-07-19)
(2021-04-08)
(2021-04-08)

 どんな瞬間のベリーを思い出しても,ひたすら会いたくなって辛いので思考にブレーキをかけることになる。でも思い出していたいし常に思い出しているのだ。

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思い出の六月

 ベリーは7月と共に逝ってしまったので,6月はベリーと過ごした最後の月。
 ベリーは逝く1時間半前まで普通に元気だったから,6月にはベリーとの思い出がたっぷり詰まっている。まさか7月と共にいなくなってしまうなんて思いもせずに,平和に楽しく幸せに過ごした月だった。

 2年経ってもベリーがいないだなんて,もう二度と会えないだなんて,深く考えると頭がおかしくなりそうだ。だからあまり考えられない。
 深く考えず,ただ思い出し,懐かしく愛おしむ。

 最後に一緒に過ごした6月という月を,一つ一つ思い出しながら振り返る。


 お気に入りの場所で楽しそうだったベリー。

(2022-06-02)
(2022-06-02)

 ベリーはよくここでまったり寛いでいて,私が座っている位置からはこんなシルエットで見えていた。
 この日,突然この見慣れたシルエットを撮っておきたくなって撮ったのだった。

(2022-06-04)
(2022-06-04)

 毎朝私がお化粧をしている間,ベリーはよく私の横にやってきて,こうして何するわけでもなくまったり寛いで過ごしていた。
 読書をしているときなんかも,わざわざケージから出てきて横にきて寛いでいてくれた。
 ベリーがそばに来てくれると,いつもほんわか温かい気持ちになったものだった。
 いつもいつも私の近くに来てくれて,本当に可愛い子だった。

(2022-06-05)
(2022-06-05)

 お気に入りの場所で恵さんに寄り添って眠っていることも多かった。
 ベリーの居場所だった気がして,ベリーが去って2年経った今も,恵さんはここに座ってベリーを偲んでいる。

(2022-06-12)
(2022-06-12)
(2022-06-12)
(2022-06-12)
(2022-06-15)
(2022-06-15)
(2022-06-16 11:04)
(2022-06-16 11:04)
(2022-06-25 07:50)
(2022-06-25 07:50)
(2022-06-23 07:42)
(2022-06-23 07:42)

 いつもお茶目で楽しそうだったベリー。
 私の目にはそう見えていた。
 ベリー楽しかったかなぁ。幸せだったかなぁ。
 もっともっと幸せな時間を一緒に過ごしたかったなぁ。

(2022-06-16 11:12)
(2022-06-16 11:12)
(2022-06-20 06:45)
(2022-06-20 06:45)

 この時。
 私と目が合うとベリーは嬉しそうに片足を上げてにぎーっとした。
 この姿をぜひ残しておきたいと思って撮ったことをよく覚えている。

 この10日後の朝。
 ベリーは突然苦しみ始め,病院に辿り着く直前に逝ってしまった。

 前日はお昼に胡桃を欲しがって食卓の上を旋回して飛び回り,怒られて胡桃をもらえなかった。胡桃あげれば良かったと,ずっと後悔している。
 午後,水浴びをする?って聞いたら「する」と答えたので水のお皿をケージに入れてあげたら楽しそうに水浴びをしていた。
 水浴び翌日の美しい姿で彼は逝ってしまった。

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16. 顔が黄色くなり始めた頃

 ベリーの生まれて初めてのお正月。
 そして私がベリーと一緒に初めての年越しをした2004年1月のこと。
 ベリーの顔が少しずつ黄色みを帯び始め,思った通り男の子だったことが判明した。
 晩年は太って苦労していたのに,この頃は,何と痩せていくのが悩みだったのだ。


  • 2004年01月01日(木) 朝80g
  • 2003年01月02日(金) 朝79g 放鳥前の「待て」ができるようになってきた。

初めてのお出かけ

 2003年01月03日(土)お迎えから64日目。
 朝78g。

 日に日に体重が減って困った。大根の葉ばかり囓っているからだろうか? 仕方ないので粟穂を与えてみた。

 1週間後に2泊で実家に預かってもらうことになっているので,午後から実家へ連れて行き予行練習。
 ベリーはキャリングケースの中ではヒヨとも鳴かずに静かにしていたし,実家に着いても怯えた様子は無かった。父も母も可愛いがってくれ少し安心した。

 家に帰ってきた後ベリーはすごく囀っていたが,安心したからだろうか? ぜひとも無事に乗り切ってほしい。しかしその前にもう少し体重を戻してもらわなければ。


初めての林檎

 2003年01月04日(日)お迎えから65日目。
 朝79g

 林檎を買ってきたので小さく刻んでベリーに与えてみた。
 気に入ったらしく喜んで食べていたが,上手に食べられないようで嘴が林檎だらけに! しかもそれを自分で取る方法が分からないのか,しばらく嘴が林檎だらけ。
 気持ち悪くないのか?!

(2004-01-04 19:50:35)
林檎を食べるベリー(2004-01-04 19:50:35)
(2004-01-04 19:51:02)
林檎を嘴につけたベリー(2004-01-04 19:51:02)
  • 2003年01月05日(月) 朝79g
  • 2003年01月06日(火) 朝79g
  • 2003年01月07日(水) 朝80g

やんちゃ過ぎ

 2003年01月08日(木)お迎えから69日目。
 朝79g。

 朝からすごい悪い子だった。体重を量った後逃げ回って,どうにも捕まらない。
 仕方がないので部屋にベリーを取り残したまま皿洗いに行くと,ピーッピーッと長い間呼び鳴きしていた。

 やっと静かになったので部屋に戻って呼んでみたが,やっぱり来ない。捕まえようとすると,またまた逃げ回る。

 長い間追いかけ回してとうとう尻尾を捕らえることができたので,引っ張ってムギュッとつかんだら,怒ってギャーッ!ギャーッ!と,もの凄く怒られた。
 しかし私の方もけっこう怒っていたので,そのままベリーをケージに入れ,ダンと扉をおろす。ベリーは呆然。しばらく黙っていた。そして私が隣の部屋に消えると,小さくピッと鳴いた。その声を聞いて,何かゴメンって気分になった。

 しばらく経って,反省したかと思ってケージに戻ってケージの扉を開けてみると,ベリーはちょっと逃げ腰だった。怒られて恐かったのだろうな。


小松菜が育ってきた

 2003年01月09日(金) お迎えから70日目。
 朝81g。

 ベリーのために植えた小松菜が,かなり育ってきた。
 放鳥時に勝手に食べてくれるといいなと思って部屋の中に置いてみたところ,思惑通り喜んで食べてくれた。

(2004-01-09 21:55:12)
(2004-01-09 21:55:12)
(2004-01-09 21:55:26)
(2004-01-09 21:55:26)
(2004-01-09 21:55:46)
(2004-01-09 21:55:46)

お留守番

     2003年01月10日(土)お迎えから71日目。
     朝82g。

     2泊3日で実家に預かってもらった。
     父母はベリーと遊ぶのを楽しみにしていたようだが,外に出すとケージに戻すのが大変で,放鳥は一度で懲りたとのこと。そりゃそうだ,私でも大変なのだもの。躾ができていなくて済みません><
     留守の間に少し体重が減っていたが,元気に留守番を終えてくれて一安心。

    (2004-01-11 19:52:33)
    実家にてお留守番中のベリー(2004-01-11 19:52:33)
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