半夏雨が降る一年目

 あの暑かった日。
 黄色い太陽が容赦ない日差しを投げかけ,朝日の中でベリーが金色に輝いた朝。

 突然ベリーが苦しみ始め,あっというまに逝ってしまった悪夢のようだった日。
 2022年7月1日から一年が過ぎた。

 多分私はほぼ一瞬もベリーを忘れずに一年を過ごしたと思う。ベリーがいないことが常に喉に引っかかっているようだった。

 大袈裟なようだが,私の生活は常にベリーが中心だったのだ。
 今やっている○○が終わったらベリーのところへ帰る。ベリーの顔を見に行く。ベリーに話しかける。いつも今やっていることのあとにベリーがいた。ベリーの為に「今」を過ごしていた。どんな「今」もそうだった。
 ベリーがいなくなって,心が帰る場所を失って宙ぶらりんになってしまったのだ。

 行き先を失った心が痛むから,ベリーがいない事実と常に向き合うことになっていた。
 でも悲しみとの付き合い方は少しずつ学んだと思う。

(2022-06-20 06:45)
(2022-06-20 06:45)
(2022-06-28 06:44)
(2022-06-28 06:44)
(2022-06-25 09:25)
(2022-06-25 09:25)

 会いたいなぁ。ベリー,会いたいな。
 何という大きな存在だったことだろう。
 オカメインコとは何と大きな存在になり得るのだろう。
 日々,ベリーと過ごした19年の時を振り返って過ごしている。

 毎年7月1日〜2日に地球は半夏生を迎える。
 ベリーの魂が逝ってしまった7月1日と,ベリーの身体とお別れした7月2日。
 ベリーの命日は半夏忌と呼ぼう。

(2021-05-21)
(2021-05-21)
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一緒にお出かけ

 昨日は私の誕生日。
 去年の誕生日には1週間後にベリーとの別れが来るなど思いもせずにベリーの写真を撮ったりしていたのだったと,1年前に撮った写真を思い出していた。

(2022-06-24 07:31)
(2022-06-24 07:31)
(2022-06-24 07:31)
(2022-06-24 07:31)

 ベリーがいた頃はほとんどお出かけもしなかったので,昨日はベリーの冠羽を連れてお食事に行ってきた。

ベリーとお出かけ(2023-06-24)
ベリーとお出かけ(2023-06-24)
ベリーとお出かけ(2023-06-24)
ベリーとお出かけ(2023-06-24)

 最近,マンションの入り口にヤマモモの木があって,この季節はたわわに実が生っていて下に落ちていることに気がついた。木は去年も一昨年もその前もずっとあったのに,何故私は今年まで気づかずにいたのだろう?

 去年まではベリーがいたからだ,と思う。
 エントランスまで帰ってくると,一刻も早くベリーに会いたくて,周囲の風景に注意を払うこともなく急いでマンションに入り家に直行していたのだと思う。それくらいベリーとの時間を大切にしていたし,ベリーを可愛がっていたのだった。

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一年前の今日の楽しそうな

 ベリーが突然逝ってしまったのが7月1日だったから,6月になったとき,あぁこの月が終わったら「一年前はまだベリーがいた」って思えなくなるんだな,と思った。
 去年の春の健康診断でも問題なかったし,ベリーはいつも元気で楽しそうだったし,ここ数年は咳もしなくなっていたし,まさかあんなに突然別れの日が来るなんて夢にも思わず楽しく過ごした去年の6月だった。

 去年の今日,6月16日は随分沢山の写真を撮った。
 私の新しいスマホの試し撮りもかねてベリーを撮ったし,この日はベリーが楽しそうに動き回っていたから。

 ここは,本当は行っちゃ行けない場所。
 ぶらさがっている根付けの紐を囓ってご機嫌な声を出したり,たまに私の方を向いて自慢げにアジの開きポーズをしていた。

(2022-06-16 11:12)
(2022-06-16 11:12)
(2022-06-16 11:12)
(2022-06-16 11:12)

 半年前の模様替え以降,最後までベリーのお気に入りの場所だった棚の上。

(2022-06-16 11:03)
(2022-06-16 11:03)
(2022-06-16 11:04)
(2022-06-16 11:04)

 このお人形の服のレースは見事にフリンジにされた。
 ベリー,どうせなら両方の袖をやってくれると助かったのに?

(2022-06-16 11:05)
(2022-06-16 11:05)
(2022-06-16 11:17)
(2022-06-16 11:17)

 ケージの上の奥もお気に入りの場所だった。
 ベリーが日々少しずつ囓っていたキムワイプの箱は,結局今も保管している。捨てられやしない。ベリーが囓った跡が残っているのだもの。

(2022-06-16 11:17)
(2022-06-16 11:17)
(2022-06-16 11:20)
(2022-06-16 11:20)

 何故か,この局所排気装置の上もベリーはお気に入りだった。布を囓ってクルクル回って嬉しそうにしていた。ほんと何が気に入るやらわからない。

(2022-06-16 13:29)
(2022-06-16 13:29)

 そして椅子の背の上も。
 椅子にフンをされても困るし,椅子にかけられた服にフンをされても面倒ってことで,ベリー除けに広告紙など乗せていたが,効果があったのは最初だけ。
 ベリーはすぐに慣れて,椅子の背から自慢げにこちらを見ていた。
 君は何故そういつも自慢げだったのか? いや,自慢だったのではなく嬉しくて楽しくて,それを伝えてくれていたんだよね。

(2022-06-16 13:40)
(2022-06-16 13:40)

 あぁ本当に,今日も今もいつまでもベリーに会いたいし,ベリーに会えないことが寂しくて辛くてたまらない。わかっていたことだったが,オカメインコの存在感というのは半端ないのだ。

 もしも天国というものがあるならば,そこでベリーが楽しく過ごしていますように。
 そして私がいつか行った時,私を見つけてくれますように。

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