ベリーどこにいるのかなと思って「ベリー?」と呼ぶと,ピヨと返事が聞こえた。
 声の方へ行くと,ベリーがいた。
 嬉しい時によくやったように,ベリーは嘴でぱくぱくっという仕草をして私に嬉しさをアピールし,それから小松菜を食べ始めた。
 あぁ嬉しそうに食べるなぁ。この姿も撮っておかないと。
そう思って私はiPhoneを捜した。
 そして,残念ながら夢である事に気がついた。
 ベリーにはもう会えないのだった。
 そうか,目が覚めたらベリーはいないのか…。
 私はもう目覚めるしかなかった。
 ベリーの懐かしい仕草を見られたことは,とても幸せだった。

 ね,ベリー。
 小松菜おいしかったね。
ベリーちゃんいなくなってから,私は小松菜たべてないよ…。





 今の家に引っ越して来て以降は,ベリーはかなり自由にいつも外にいた。
 もう若くなかったから,残りの時間は好きなように楽しく過ごして欲しいと思っていた。
 ベリーはあまり動き回る質ではなく,ケージの外にいてもいつもお気に入りの場所でじっと寛いでいた。動かないのでどこにいるか見つけられないことが多く,たまにベリーが見当たらないと,私は「ベリー?」と声を掛けた。
 ベリーは必ず「ピヨ」と返事をしてくれた。
 呼べば呼ぶだけ返事をしてくれた。
そうして私はベリーの姿を認め,安心したものだった。
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