ごそごそ

 ベリーは作業好きオカメだった。

 他人が作業をしていると近くに見に来る。うちにやってきた当日からそうだった。
 初めて来た家だというのに全く物怖じせずに,まだ挿し餌の雛のくせに,飛ぶこともままならないくせに,一生懸命近くへやってきて,熱心に作業を眺めていた。

 人が何かやっていると—例えばパソコンのメンテとか,プラモ作りとか手芸とか諸々—ベリーは徐にケージから出て,そばへやってきて時に道具を咥えて持ち出したりして邪魔しながら眺め,人が席を外すとこれ幸いと作業中の物を点検していた。

 そうやって見に来ることもあったが,人が何かごそごそと作業をしていると,ベリーも負けじとごそごそ作業を始めることもあった。ケージの底の新聞紙を破ったり,部屋の中の木箱を囓ったり,小松菜を切り刻んだり。
 ごそごそしているときは目が合うだけで「フッ!」と怒られたものだ。
 ベリーに怒られるのも楽しかった。

 ベリーも怒られて楽しそうだったから,お互い様だったわけだ。

(2021-12-27)
(2021-12-27)
(2021-09-16)
ケージ大掃除の後(2021-09-16)
(2021-07-19)
(2021-07-19)
(2021-04-08)
(2021-04-08)

 どんな瞬間のベリーを思い出しても,ひたすら会いたくなって辛いので思考にブレーキをかけることになる。でも思い出していたいし常に思い出しているのだ。

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三回忌

 今,2024年7月1日午前10時36分。
 2年前の今日のこの時刻,私は一縷の望みをかけてベリーを連れて小鳥病院へ向かっていた。まだベリーは生きていた。今日はベリーの祥月命日。

 忘れようのない忘れるはずがないあの日。

 2年が経った。今日は二周忌(三回忌)。
 ベリーがいない月日を2年も過ごしてきたのかと思う。


 ベリーの追悼コーナーでは,ミクさんが常にベリーの為に歌を歌ってくれている。
 ベリーが最後にケージに残した長い羽と,ベリーが囓って遊んだ木箱。
 遊ぶことができずにベリーが遺していった玩具。

三回忌(2024-07-01)
三回忌(2024-07-01)

最期の日のこと – with Berry 3.0


 最期の日のことを読み返す勇気は未だない。
 泣いて泣いて立ち直れなくなりそうだから。
 ベリーのことを少しでも忘れたくなくて必死で書いた。

 最後の苦しい発作の中で私の手に乗ろうとしてくれたベリー。
 電車の中で背中に手を当てると体を震わせ,そしてそれを最後に逝ってしまったベリー。
 最後までベリーは私を信頼してくれていたんだなと思う。
 天国ってところがあってまた会えるといいのにね。

 ベリーが逝った時刻が近づく。
 ベリー,たまには帰っておいでよ。ねぇ?

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