歓迎の歌

 ベリーはよく歌っていた。
 勝手にご機嫌になって歌っていることもあったし,明らかにこちらを見て歌って聞かせてくれることもあった。

 帰省して数日家を空けて帰宅した時は必ず最初にベリーに挨拶に行ったものだが,ちょっと機会があって,そういうときのベリーのことを思い出した。

 数日ぶりに会うベリーは,まず丸い目をして私の顔を見る。
 そして一瞬の静寂の後,歓迎の歌を歌ってくれるのだ。まず,ピョンとケージの側面に飛びついて,ケージの側面を横に移動し,そして私の顔を見ながら,「ピッピッピッピッ」と笛で調子を取るような歌を歌ってくれるのだ。
 あぁ「おかえり」って歓迎してくれているんだなぁと,よくわかったものだった。

 ケージの側面を何周もぐるぐる歌いながら回って,それから熱心にご飯を食べるのが常だった。安心するとお腹が空くのかな。それも可愛かった。

(2019-12-03 14:18)
(2019-12-03 14:18)
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くるみ割り人形の季節

 アドベントが始まるとクリスマスにちなんだアルバムをよくかける。

 ベリーを迎えたのは11月1日だったから,お迎えから一月も経たずにアドベントが始まり,楽しげな《Very Special Christmas》をよく聞かせていたなぁと思い出す。最初は音楽が何たるかもわかっていない風だったベリーも,何度も聞いているうちにイントロのリズムに反応して体を動かすようになっていった。

 そういえば,チャイコフスキーの《くるみ割り人形》はベリー為に買ったんだったなぁと思いだした。

 ベリーにはいつもラジオで音楽を聞かせていたが,たまに異常にベリーが反応する曲があり,そういう曲は別の機会に流れてきてもやっぱりベリーはピヨピヨと喜んでいて,本当にベリーの好みの曲だったのだと思う。

 《くるみ割り人形》は,そんな,ベリー自身が「これ好き!」と主張したアルバムの一つだった。まだベリーが2歳か3歳くらいの若鳥だった頃,ベリーが好きだというのでわざわざタワーレコードまでCDを買いに行った。当時は配信なんてものは存在しない時代だったし,ベリーが好きな音楽なら当然CDを買わねば!って感じだった。

 それから行く度,この季節になると私は《くるみ割り人形》をかけ,ベリーはそれを聞いてご機嫌に「ピ,ピ」と声を出したり,ギシギシと嘴を慣らしたりしていたものだった。
 ベリーと過ごした和やかで静かな時間が愛おしい。

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