夜を抜け、カーテンを開ける。
雲が茜色をたくわえてゆくのを見ながら、
新しい一日の誕生と自分の心を同化する。
旅先のように見知らぬ風景が、目の前で真珠色の輝きを増していく。
引っ越して初めての夜明け。
何度こんな朝を迎え不思議な気持ちを噛みしめたことだろう。
この街はわたしを受け入れてくれるだろうか。
この街でわたしは楽しく暮らせるだろうか。
この街をわたしは愛せるだろうか。
不確定すぎる未来への一歩を、この街は助けてくれるだろうか。
希望も不安も飲み込んで、
ただこの街で沢山の朝を愛してゆこうと心に誓った。