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★参考文献
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エリナー・クロス(Eleanor Cross)を通り過ぎ,そのままストランド(Strand)を西へ進んでいくと,正面にアドミラルティ・アーチとチャールズ1世騎馬像が,そして右手には,空高くそびえ立つモニュメントと噴水の広場が見えてくる。
この広場が有名なトラファルガー広場で,モニュメントは大理石の柱の上に立つネルソン提督の像,ネルソン記念柱だ。
トラファルガー広場とネルソン記念柱。
その名が明確に示しているように,ここは英国がトラファルガー沖海戦(1805年)でフランス=スペイン連合艦隊を破ったことを記念するための広場であり,この海戦で戦死したホレイショ・ネルソン海軍提督(Horatio Nelson, 1758-1805)の功績を称える場所である。
もしこの海戦での勝利がなかったら,その後の大英帝国の繁栄は一体どうなっていたことかと鑑みれば,この記念柱の巨大さも頷ける。大理石の柱は高さ46m,その上のネルソン像は全長5m,下から見上げても,とてもネルソン提督の顔は分からない。
このようなイギリスの記念碑は,記念と関連のある素材を用いて作られることが多いそうで,記念柱台座の四方に刻まれるネルソン提督の連戦連勝を綴る銅板は,ナポレオン軍から奪った大砲で作られてるという。
また,台座の四方を取り囲むライオンは,1782年に沈んだイギリス軍艦ロイヤル・ジョージ号から引き上げた艦砲から作られているそうだ。ちなみにこのライオンは三越のライオンのモデルとして有名なようだが,三越がある街に住んだことのない筆者にはピンと来ず残念だ。
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Trafalgar Square Nikon D200
Fujifilm FinePix S2 Pro | ||
ネルソン記念柱があまりに目立っているが,トラファルガー広場には他にも幾つか銅像がある。
広場の東の端には当時の将軍であり市長であったサー・ヘンリー・ハブロック(Sir Henry Havelock, 1795-1857),噴水とナショナル・ギャラリーの間に,この広場を今の形に作り上げたジョージ4世(King George IV, 1762-1830, 在位1820-30)の騎馬像,そして,撮ってくるのを忘れてしまったが,チャールズ・ジェームズ・ネピア将軍(Charles James Napier, 1782-1853)。
また,広場の外,アドミラルティ・アーチの前にはチャールズ1世の騎馬像が立っている。
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Trafalgar Square Nikon D200
Fujifilm FinePix S2 Pro | ||
広場はまさに観光客のたまり場という感じで,ギリシャ風の列柱が美しいナショナル・ギャラリー前の階段には大勢の人が座って寛ぎ,ライオンも常に人に取り囲まれている。
ここはエドワード1世(Edward I, 1239-1307, 在位1272-1307)の時代には王室の厩があったそうで,1820年代にジョージ4世がジョン・ナッシュ(John Nash, 1752-1835)にこの地域の再開発を依頼。1845年になってようやく現在の形に整っている。
5万人もの群衆を収容することができるトラファルガー広場は,よくデモや政治集会の会場にもなって日本のニュースに登場しており,ロンドンの要所の一つといえるのではないだろうか。クリスマスになると,ノルウェーから届く巨大なクリスマスツリーが立つそうだ。
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Trafalgar Square Nikon D200
Fujifilm FinePix S2 Pro | ||
ナショナル・ギャラリーの東隣には,道をはさんで聖マーティン教会があり,教会の塔が噴水によく映えている。
また,ホワイト・ホールからネルソン記念柱が見えていたように,ネルソン記念柱の足元からは,ホワイト・ホールの向こうのビッグ・ベンを眺めることもできる。
ホワイト・ホールと,アドミラルティ・アーチの分岐あたりにはピューリタン革命で処刑されたチャールズ1世(Charles I, 1600-1649, 在位1625-1649)の騎馬像が立っている。そう,エリナー・クロス(Eleanor Cross)が元々立っていた場所だ。
チャールズ1世の騎馬像は,ピューリタン革命の後,一旦取り除かれ売り払われてしまったが,後に買い戻されてこの位置に置かれたとのこと。ロンドンの多くの路線バスはここを基点としており,チャールズ1世の周囲を常に赤いバスが何台も連なって通り過ぎていく。
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Equestrian Statue of Charles I and Admiralty Arch Nikon D200
Fujifilm FinePix S2 Pro | ||
アドミラルティ・アーチは,その堂々たる門構えから容易に想像できるように,この門の向こうに,セント・ジェームズ・パークと,公園の中をバッキンガム・宮殿まで突っ切るザ・マルが続いている。
この立派な門は1911年に完成しており,中央の大きなゲートは国王専用で通常は閉じられている。人や車は,通常両サイドの小さな門を通り抜けるのだ。門の向こうにザ・マルの街路樹が垣間見えて美しい。
既にナショナル・ギャラリーを見学するには時間が遅すぎ,私たちはトラファルガー広場とチャールズ1世の騎馬像,アドミラルティ・アーチを見学すると,ネルソン記念柱を背にホワイト・ホールを南へ向かって歩き始めた。
外部リンク
・トラファルガー広場 - Wikipedia
・ネルソン記念柱 - Wikipedia
・ジョージ4世 (イギリス王) - Wikipedia
・Henry Havelock - Wikipedia, the free encyclopedia
・Charles James Napier - Wikipedia, the free encyclopedia
・ナショナル・ギャラリー (ロンドン) - Wikipedia
・The National Gallery, London(ナショナル・ギャラリー公式サイト)
・St.Martin in the Fields - pageTitle(聖マーティン教会)
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