11月の星空
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11月は日暮れが早く,空は澄んでおり,また晴れの日も多く,本格的寒さはまだ。星を見るにはよい季節です。
今年は,3日に“栗名月”“豆明月”などと呼ばれる十三夜になりますので,まずは名月を眺めてみてはいかがでしょう。十三夜は旧暦9月13日の月のことで,中秋の名月と共に両方の名月を見るのがよいとされています。
中秋の名月は唐の習慣が伝わった行事ですが,十三夜は日本独特の風習で,醍醐天皇(在位897-930)の御代に行われるようになりました。
9日の水星日面通過は,2003年5月以来で次回は2016年5月まで見られない珍しい現象です。通過は日の出前に始まりますが,全国で第3接触と第4接触が見られます。
地名 | 水星の出 | 食最大 | 第3接触 | 第4接触 |
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札幌 | 6h19.3m | 6h41.7m | 9h08.6m | 9h10.4m |
京都 | 6h23.6m | 6h41.7m | 9h08.7m | 9h10.5m |
福岡 | 6h44.7m | - | 9h08.7m | 9h10.6m |
那覇 | 6h42.0m | - | 9h08.8m | 9h10.6m |
観望は,望遠鏡で投影したり太陽専用フィルタを使ったりして,太陽黒点を見るのと同じ方法で行います。決して太陽を肉眼で直接見てはいけません。太陽を見てみようを参考にしてください。写真は1993年11月の水星日面通過の様子で,太陽面に水星の黒い影が見えています。
しし座 流星群は,母彗星が遠ざかるにつれ活動が小さくなりつつありますが,今年は月もなく条件良好です。しし座 が上ってくる夜半から明け方にかけて観察しましょう。ピークが予想される第2極大は,残念ながら日本は昼に当たり見られません。
22日に明け方の空で西方最大離角を迎える水星は,午前5時半の東京での高度が7.5度。位置は東南東になります。
午後8時(20時)に南中を迎える,観察しやすい星座たちです。
【上旬】
【中旬】 きょしちょう座(☆)
【下旬】 アンドロメダ座 ・ うお座 ・ ちょうこくしつ座
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。
【惑星状星雲】 NGC7293 (らせん状星雲,みずがめ座)
【散開星団】 M34 (ペルセウス座), M52 (カシオペア座), h-χ (二重星団,ペルセウス座)
【球状星団】 M2 (みずがめ座), M15 (ペガスス座), M30 (やぎ座)
【銀河(系外星雲)】 M31 (アンドロメダ大星雲,アンドロメダ座), M33 (さんかく座), M77 (くじら座)
日 | 曜 | 月 | 天文現象 |
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3 | 金 | 十三夜 | |
4 | 土 | 月が最近:09時(視直径33分08秒) | |
5 | 日 | 満月:21時58分 | |
7 | 火 | おうし座20番星の星食(3.9等,出現):2時34分 プレアデス星団の食 立冬:22時35分。太陽の黄経が 225度になる。 水星が金星の南0度28分:23時 | |
9 | 木 | 水星が内合:6時 水星の日面通過(通過中に日の出。第3・第4接触が見られる) | |
12 | 日 | 水星が火星の北0度39分:3時 アルゴル型食変光星 アルゴルが極小光度:05時27分 | |
13 | 月 | 下弦:02時45分 | |
14 | 火 | 海王星が東矩:23時 | |
15 | 水 | アルゴル型食変光星 アルゴルが極小光度:02時15分 | |
16 | 木 | 月が最遠:8時(視直径29分29秒) 金星が木星の北0度27分:8時 | |
17 | 金 | アルゴル型食変光星 アルゴルが極小光度:23時04分 | |
18 | 土 | しし座 流星群の極大:5時(好条件) | |
19 | 日 | しし座 流星群の第2極大:14時 | |
20 | 月 | アルゴル型食変光星 アルゴルが極小光度:19時53分 | |
21 | 火 | 新月:07時18分 | |
22 | 水 | 木星が合:13時 土星が西矩:14時 小雪:20時02分。太陽の黄経が 240度になる。 | |
25 | 土 | 水星が西方最大離角:22時 (-0.5等,離角19度54分,視直径6秒6) | |
28 | 火 | 上弦:15時29分 |