※転載・複製は,一切お断り致します。 |
火星が9日に衝を迎え,14日に最接近となり観望好期です。けれど 春先に火星が最接近を迎える場合,火星の軌道が地球から遠いため小接近となり,今回の接近でも視直径は15".1と大接近の半分程度の大きさです。けれど春は気流が安定して惑星が見やすい季節です。穏やかな気象の日を選んで惑星に望遠鏡を向けてみましょう。
望遠鏡で見る機会があったら,スケッチをしてみるとだんだん目が慣れて模様が見えるようになっていきます。
また,来月に衝を迎える土星が夜半ころから観望好期に入ります。
2009年に真横から見た土星の環は,2019年へ向かってどんどん開いており土星らしい環を伴った姿が小望遠鏡でもわかりやすくなっています。望遠鏡の中の惑星の像がピッタリ止まって見えるような夜があったら,ぜひ高倍率で眺めてみましょう。スケッチして今年の姿を記録しておくと翌年との環の開き具合の違いがよくわかります。
15日の皆既月食は,残念ながら北日本・東日本で部分食の状態で月が昇る月出帯食,西日本では月の出のときには既に部分食も終了しています。今年は10月にも皆既月食があり,そちらは北・東日本で全過程が,半影食が始まってからの月の出となる西日本でも皆既は最初から最後まで見られます。
午後8時(20時)に南中を迎える,観察しやすい星座たちです。
【上旬】 らしんばん座
【中旬】 ほ座
【下旬】 うみへび座 ・ カメレオン座(☆) ・ こじし座 ・ しし座 ・ ポンプ座 ・ ろくぶんぎ座
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。
【惑星状星雲】 NGC3242 (うみへび座), M97 (おおぐま座)
【散開星団】 M44 (プレセペ,かに座)
【銀河(系外星雲)】 M81・M82・M101 (おおぐま座), M65・M66 (しし座), かみのけ座〜おとめ座銀河群
日 | 曜 | 月 | 天文現象 |
---|---|---|---|
2 | 水 | 天王星が合:23時12分 | |
4 | 金 | 木星が東矩:1時44分 | |
5 | 土 | 清明:5時47分。太陽の黄経が 15度になる。 準惑星 冥王星が西矩:22時12分 | |
7 | 月 | 上弦:17時31分 ふたご座 λ(3.6等)の星食(入,東京):21時4分 | |
8 | 火 | 月が最遠:23時52分。視直径28分33秒 | |
9 | 水 | 火星が衝(おとめ座,-1.5等):23時37分 | |
10 | 木 | 準惑星(136108)ハウメアが衝(+17.2等) | |
14 | 月 | 火星が最接近(-1.4等,0.617558天文単位):21時53分 | |
15 | 火 | 満月:16時42分 皆既月食(北・東日本 部分食で月出帯食) | |
17 | 木 | 春の土用の入り:11時14分。太陽の黄経が 27度になる。 | |
20 | 日 | 穀雨:12時56分。太陽の黄経が 30度になる。 準惑星(1)ケレスが衝(+7.0等) | |
22 | 火 | 下弦:16時52分 | |
23 | 水 | 4月こと座流星群が極大:3時(条件良) 月が最近:9時24分。視直径32分18秒 | |
26 | 土 | 水星が外合:9時35分 | |
29 | 火 | 新月:15時14分(金環日食 日本からは見えない) |