木々のように空のように

姿が変わっても
色が変わっても

時が移っても
場所が移っても

いつもここにいる
必ず私はここにいる

だから
安心して忘れてね

木々のように空のように

 

ここにいる
何があっても

月影歩行

月影歩行

 

君と最後に歩いた夜は
風あたたかい弥生の終わり
これっきりだとわかっていたから
バス停一つ余計に歩いた

君と最後に歩いた道は
月影明るい慣れた道
涙は殺し楽しく歩いた

君と最後に待ってたバスは
定刻ぴったりやって来た
君は笑顔でじゃあまた
私も笑顔でじゃあまた

君の乗ったバスは闇に溶け
私も踵を返して歩き出す
君を忘れようとして十年歩いた

蒸散

心を風に
風にさらす

想いは空へ
空へとばす

寂しさも
切なさも

忘却の掌へ

蒸散