追憶の華

  ひとひらふたひら白い華
  みひらよひら埋めつくせ

  降れよ降れよ冬の花
  私の心を射抜くがいいさ

  君の鼓動もぬくもりも
  今はいずこの空の果て

  君を感じたあの日のように
  静かに激しく雪が降る

雪の中のキリスト

風星の夜

  北風が鳴る北風が鳴る
  寒さも感じずただひとり
  夜空の下に立ち尽くす

  青い星が泣いている
  赤い血滲ませ泣いている
  風のプリズム駆け抜けて

  風の星よシリウスよ
  君はいつもそこにいた
  今宵の涙も分かとうぞ

冬の大三角とおおいぬ座

solitude…

  人はひとり心は孤独

  人を求むれば崩れ落つ
  脆きアイデンティティの城壁は
  虚しさ流る絶望海
  途方に暮れて立ち尽くす

  なのに何かを分かちたい

  近づき崩れるアイデンティティ
  傷つけたことに傷ついて
  傷つけぬことも不可能で
  それでも命は続いてく

  人はひとり心は孤独

孤高

余光

  忘れた頃に夢を見る
  忘れた筈の眼差しを

  果てぬ想い彷徨いて
  届かぬ光追い求む

  夢の中は切なくて
  目覚めることも寂しくて

光は影

どれだけ時が過ぎたって

  いつか黄泉で会えるなら
  あゝもう一度会えるなら

  どうか謝らせてくれまいか
  償わせてくれまいか

  涙一筋
  青空に

  わかっているさ許されぬ
  責は地獄の底まで背負い抜け
 
空へ独唱