頑なに咲いていた 投稿日時: 2010/10/26 投稿者: じゅの ボイコットを叫ぶ拡声器 ある者たちは無関心に去ってゆき ある者たちは熱心に変革を訴える 取り残された君は独り座り続けた 誰もいない講義室 背筋を伸ばし前を見つめ怒ったように その横顔にわけもなく嫉妬した 安保の残り香くすぶるキャンパスで
この街角で 投稿日時: 2010/10/22 投稿者: じゅの たしかに貴女はここにいた 空を見上げ花を愛で キーを叩きハンドルを握り ウィンドウを覗き買い物をし わたしのレンズは寂しくて ひたすら残照を追いかける 貴女の貴女の貴女の
オレンジの滴 投稿日時: 2010/10/19 投稿者: じゅの 最期に見たのは夕陽でした。 美しい、と思いました。 光というものを見たのは初めてでした。 そして私の意識は薄れゆき、 身体はオレンジの光に溶けてゆきました。 遙か遙かな昔の話。 闇が地上から消えた日のことです。 そう、私は闇の妖精でした。 黄昏が落とすオレンジ色の滴には、 今も私の上古の記憶が疼いています。 夢のこと