わたしはさがした

 もう帰らなくていい。
 そう思いたくて倖せをさがした。

 空に舞う白い羽根を追いかけて。
 色づく街を彷徨って。

 そしてわかった。

 帰らなくていいとき。
 それは私がいなくなったときなんだ。

わたしはさがした

変わらないもの

時が行きても変わらない
黄昏の街の魚を焼くにおい
夕暮れの夏雲の美しさ

変わらないものを探し
変わらないものに焦がれ
大気の海へと心を放つ

寂しいだけなのに
切ないだけなのに
変わらないものなんて

変わらないもの

You don’t know

  根拠のない気休め
  それは暴力だ

  逆らうこともできず
  ただ耐える

  いっそ捨て置いてくれ
  いっそ蔑んでくれ

  その方が傷つかない
  その方が救われる

You don't know