昨日に忠実でいたかった
でも明日はわからない
今日は裏切られてゆく
でも明日はわからない
今日は裏切られてゆく
彼女は立っていた
海風に吹かれた夏の宵
リネンのスカート軽やかに
黒い髪は宵闇に溶け
伸ばされた手に
僕は僕は躊躇した
夢も幻も去った闇の中
残香に浸りて僕は生きる
知っていたわ最初から
守られるはずない約束だって
それでも何もないよりよかったわ
刹那の鎮痛剤にはなったもの
約束を果たしたかった心は真実
だからわたしは立っていられた
宵闇の金粉に抱かれて
ひたすら君を追いかけよう
松の梢も
軒下の口づけも
溶けてゆく
消えてゆく
みんなみんな
ひとときの夢
みんなみんな
ひとひらの雪
凍えてしまえ
さむく冷たく
もっともっと
もう愛さない
誰も何も君も