輝きは夢の中

     夜を溶かして
     うす紫の夢になろう

     闇を集めて
     最果ての星になろう

     ただ君に
     君に気づかれたくて

輝きは夢の中

夕陽の光になって君のもとへ降り注ぐことができたなら。

木漏れ日が囁いても

あなたをさがして
わたしは涙を失った

木漏れ日が囁いても
風が笑っても
星が踊っても

思い出は色褪せすぎて
わたしの笑顔も色褪せた

あなたを想い思い出し
雨になる土になる

木漏れ日が囁いても

晴れた日も雨の日も夏の日も冬の日も、木々はいつも優しかった。

まぼろしは風の中

     風の中
     通り過ぎるあなた

     届かない手
     なす術もないわたし

     もう終わったのね
     なにもかも

まぼろしは風の中

いつかこんな風の中、仕合わせだった日があった。

雨恋

煙のような雨粒に
いま静かに同化しよう

こころもからだも
ただ一輪の紫陽花に

始まりは雨の季節
最期も雨に帰ってゆこう

雨恋

雨よわたしを洗い流して。どこか遠く。遠くまで。

つばさ

     もう戻れない
     大地も思い出も置き去りね
     眩しすぎて涙が出るの

     あぁ違う
     きっと違う

     引き止めてほしかったんだ
     置き去りなのは私の心

つばさ

もう帰れないなら、いっそ空の彼方へ連れてって。