撮影は愛情の軌跡

 周囲に持つ風景は人それぞれだが,間違いなく言えることは,どこに住んでいても五十歩百歩だということ。絵のような風景に囲まれて暮らしている人などそうそういるものではない。ただ,どんな場所にだって美しい部分,美しく見える角度,そして美しい瞬間がある。

 もし自分の周りに撮るものが何も無いと思うなら,それは風景を切り取る術が未熟なだけ。周りを見る目に愛情が足りないだけのこと。
 自分に属するものたちの魅力に気づけない感性なら,例えどんな素敵な場所へ行っても魅力を引き出すことはできないだろう。写真は被写体への愛情のまなざしなのだから。

黄金の季節

Sirius

  あなたは今年も風と共に碧い星を追っていることでしょう。
  たぶん、きっと。

  私は黙って遠い空を見上げる。

  そんな私をあなたはふと思い出すのかもしれない。
  たぶん、きっと。

  それでいい。あなたと私は。

飛んでゆけ!

また会う日まで

 しばらく名前を見なくて心配していたネットのお友だち。
 久し振りにブログの更新があった。それを見て凍り付いた。
 お母様が逝かれたの?
 讃美歌405番に涙が溢れそうになる。

 遠く離れた両親が年を取ってゆく事実に怯える私。
 陽気な Jack-o’-Lantern を見ても不安が過ぎる。
 ハロウィンは万聖節の前夜だから。
 万聖節に両親を憶える日なんて来なければいいのに。

 祖父母を参りに東北の郷へ,二十数年ぶりに行ってくる。
 おじいちゃんもおばあちゃんも,もういない。
 だけど,思い出が迎えてくれるだろう。
 「かみのまもり 汝が身を離れざれ」

ハロウィン リカちゃん

 こまち13号の発車時刻に合わせて予約投稿。

まともなスポーツ観戦させてくれ

 昨年の引っ越しをきっかけにスカパー!HDが見られなくなり、リアルタイムの観戦が叶わなくなったため今年はF1を見ていなかったのだが、鈴鹿くらい見ておくかと思い立ち、久々にF1観戦。しかし、当然地上波だ。

 まぁ覚悟はしていたが酷いのなんの、ストレスたまりましたわ。
 そりゃ母国グランプリですからね、ある程度は小林可夢偉に焦点が合うのは当然のこと。仕方が無いでしょう。しかし度を越している! スポーツ中継ではなく可夢偉特番って域に達していて興ざめだった。タイヤその他の解説なんてまるで無し。まともなスポーツ観戦させてくれよ。去年も中嶋一貴ばかりとは思ったがここまでひどくはなかった。
 確かに可夢偉は騒がれるだけの活躍をしてきたとは思う。それは認めるし頑張って欲しい。けれど、日本のF1ファンが一人残らず可夢偉だけに興味を持ってレースを見ているわけではない。残りレースも少なくなって稀に見る5人によるタイトル争いだというのに、可夢偉可夢偉一辺倒、上位で色々起きているのに映像は可夢偉ばかり、それはF1ファンに対して失礼ですよ。それにさ、日本人ドライバーもう一人いるんですけど、山本左近のことはどうでもいいわけ? 「来年はフェラーリに乗せてあげたいですね」、それはザウバーに失礼でしょ。ハミルトンが抜いた時も「マシンの差ですね」、まるでドライバーの腕は互角か可夢偉が上と言わんばかり。それはハミルトンに失礼でしょ。ワールドチャンピョンですよ、ハミルトンは。身贔屓も行き過ぎると悪、お願いだから程々にしてくださいませな。

 これ以外にもとにかく地上波のF1はいらぬ脚色が多すぎて、そこまで大袈裟な表現を繰り返さなければならぬのかと、聞いていてほとほと疲れた。カリスマ王者アロンソ? いや、アロンソはすごいドライバーだけど、そんなこと言うとかえって安っぽく聞こえるんですけど…?
 私が好きなドライバーたちが全員残念な結果に終わったのも悲しかったが、それ以上にいらぬところで疲れて観戦を楽しめなかったのだった。英語でいいからまともな解説聞きたかった。

レースクィーンF1観戦

報道に徹するニュース番組が欲しい

 日本人のノーベル化学賞受賞が喜ばしいニュースであることについて,異論はない。ノーベル賞そのものについての是非はこの際おいておいて,心からお祝い申し上げたい。日本人が世界で評価されるのは何であれ素晴らしいことだ。

 しかし! N○Kの19時のニュースを見ていて,腹立たしいことこの上なかった。伏せ字にしたのは検索対策であって,決してこの公共放送と言われる放送局の名前を隠したいわけではない。○には勿論「H」が入る。
 今に始まったことではないし,私はテレビなんか滅多に見ないのだが,たまたま見てしまった。そして悪い意味で期待を裏切らないくだらなさだった。人から受信料ぼったくってこれかよ。報道番組を何だと思っているのだ,この公共放送とやらは。

 決してノーベル賞受賞にケチをつけるわけではないが,その報道は,受賞者の名前と略歴,研究紹介を淡々と語ってくれれば十分であって,やたらとセンセーショナルに脚色する必要は無いし,ましてや旧友や後輩のインタビューなんてどうでもよろしい。そんなものに何のニュース性もない,というか,そもそもニュースですらないし,貴重なゴールデンタイムを使って報道すべき内容ではない。賞受賞の本質とは無関係だし,タダの野次馬根性か覗き趣味。ワイドショーの任せていればよろしい。どうしてもやりたいのなら,ニュースの時間ではなく,特別番組でも組んでN○Kっぽい上品なワイドショーでもやってくれよと思う。勿論私は見ないけど,そういうのが好きな人はいっぱいいるでしょ。
 こんなくだらないことにニュースの時間を使っておきながら,一方ではこの10年で最大規模だった先日の渋谷の反中デモのことは全く報道しないのだから,ジャーナリズムが聞いて呆れる。マスゴミと言いたくもなりますわ。BBC Worldなどを見ていると,日本人が如何に井の中の蛙で世界のことを知らされていないかを痛感するが,こういう毒にも薬にもならぬ”街の声”を垂れ流しているヒマがあったら,そういった世界の事件の報道に時間を費やしていただきたいものだ。少しは日本人の夢の中のお花畑のような平和ボケ解消の役に立つだろうよ。

 こういうときだけ理系離れがどうのと言うのも気にくわない。普段から科学の恩恵にあずかって儲けておきながら敬意を払っていないのは君たちではないか,と思う。世の中理科系はしいたげられているのだよ。便利なものを作っているのは技術者たちだというのに,その大半は低賃金で使い倒されるのだ。君たちのニュース番組,文系用語なら説明なしで当然のように使うくせに,理系用語だとごく普通のものに「特殊な○○」が口癖だもんな。如何に文系の視点で番組が作られているか私はそのたびに実感しているが,検証したことあるのか? 今の記憶を持ったままこの社会で人生やりなおせるなら私は理科系なんて損な選択はするまいぞ。
 そして元気がない日本社会に元気をですって? これも全く何を持って元気がないといいたいのだろう。とにかく若者は元気がなく,年寄りのバイタリティーを見倣うべきだと言いたげだが,若者の一面しか見ていないことこの上ない。若者ではないけど腹が立つ。

 文句タラタラで我ながら疲れ果て,私はBBC Worldの英語放送に切り替えた。やっぱり日本の地上波なんて,よほど厳選した番組を除き見るものじゃない。ヒアリングの練習かたがた外国のニュース見ていた方が100万倍マシだわ。

ひとり