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9月になると日没時刻が早くなり,夕方早い時間帯から星が見えるようになってきます。
また,9月に入ると明け方の空で黄道光が観望好期に入ります。黄道光は空気の澄んだところでしか見えませんが,山などへ行く機会があったら黄道に沿って光の帯が伸びているのを探してみましょう。
1日,みずがめ座 で海王星が衝を迎え,観望好期となります。
海王星を捜すのは初心者には難しいですが,小望遠鏡で拡大すると,小さな小さな円盤状に見ることができます。公共の天文台の観望会などへ出かけると,見せてもらえるかもしれません。
4日には水星が夕刻の西空で東方最大離角を迎えます。しかし空が暗くなる頃には水星も西没し,水星観察は18時半過ぎから19時前までの勝負になります。18時45分の東京における地平線高度は3度。ほぼ地平線ぎりぎりと思って,空が開けた場所で双眼鏡を用いてさがしてみて下さい。
10日に極大を迎える9月ペルセウス座ε流星群は1時間あたり5〜10個の流星が期待でき,明るい流星や痕を残す流星も多く現在活動的な流星群です。今年は新月前で条件も良いので,輻射点が北東の空へ昇ってくる夜半前から明け方にかけて観察しましょう。流れ星を見てみよう のページを参考にしてください。
27日は中秋の名月ですが,満月は28日ですので今年は1日ずれて少し欠けた月になります。中秋の名月とは秋の真ん中の日,仲秋(陰暦8月)15日の月のことで,必ずしも満月と同日にはならないのです。
中秋の名月は別名“芋名月”といい,昔から里芋を供える習慣がありました。日本人の主食が里芋だった名残だとも言われます。日本では,お月見は中秋の名月と後の名月(十三夜)の両方の名月を見るものとされ,どちらか片方だけ見るのは“片見月”として忌み嫌われました。2015年の十三夜は10月25日ですから,中秋の名月を見た方は,忘れずに十三夜も眺めて下さい。
午後8時(20時)に南中を迎える,観察しやすい星座たちです。
【上旬】 いて座 ・ くじゃく座(☆) ・ ぼうえんきょう座(☆)
【中旬】 こぎつね座 ・ や座 ・ わし座
【下旬】 いるか座 ・ けんびきょう座(☆) ・ はくちょう座
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。
【惑星状星雲】 M27 (あれい状星雲,こぎつね座), M57 (環状星雲,こと座)
【散光星雲】 NGC7000 (北アメリカ星雲,はくちょう座)
【球状星団】 M2 (みずがめ座), M15 (ペガスス座), M30 (やぎ座), M56 (こと座)
日 | 曜 | 月 | 天文現象 |
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1 | 火 | 二百十日 海王星が衝:20時35分(+7.8等,みずがめ座,視直径2秒4) | |
4 | 金 | 水星が東方最大離角:19時(+0.2等,離角27°1) | |
5 | 土 | 下弦:18時54分 | |
8 | 火 | 白露:8時0分。太陽の黄経が 165度になる。 | |
9 | 水 | アルゴル型食変光星 アルゴル極小:4時18分 小惑星(9)メティスが衝 | |
10 | 木 | 9月 ペルセウス座ε流星群が極大:7時(条件最良) 小惑星(2)パラスが東矩:14時42分 | |
12 | 土 | アルゴル型食変光星 アルゴル極小:1時7分 | |
13 | 日 | 新月:15時41分 部分日食(アフリカ大陸,日本からは見られない) | |
14 | 月 | 月が最遠:20時27分(視直径29分23秒,406464km) | |
20 | 日 | 秋の彼岸の入り | |
21 | 月 | 敬老の日 上弦:17時59分 | |
22 | 火 | 金星が最大光度:7時(-4.5等) | |
23 | 水 | 秋分:17時21分。太陽の黄経が 180度になる。 | |
24 | 木 | 小惑星(4)ベスタが最近(1.4267au):20時23分 | |
27 | 日 | 中秋の名月 うお座 R(周期345日,変光範囲7.0等-14.8等)が極大光度 | |
28 | 月 | 月が最近:10時46分(視直径33分28秒,356877km) 満月:11時51分 皆既月食(南北米・アフリカ西部,日本からは見られない) | |
29 | 火 | 小惑星(3)ジュノーが合:6時2分 小惑星(4)ベスタが最大離角:12時0分(離角168°.0) | |
30 | 水 | 水星が内合:10時50分 |