煙のような雨粒に
いま静かに同化しよう
いま静かに同化しよう
こころもからだも
ただ一輪の紫陽花に
始まりは雨の季節
最期も雨に帰ってゆこう
こころもからだも
ただ一輪の紫陽花に
始まりは雨の季節
最期も雨に帰ってゆこう
もう戻れない
大地も思い出も置き去りね
眩しすぎて涙が出るの
あぁ違う
きっと違う
引き止めてほしかったんだ
置き去りなのは私の心
いつか歩いた
真珠色の朝霧の路
夜よ明けないで
霧よ晴れないで
隣にあなた
いたような気がした
努力したさ幾千回も
頑張ったさ幾年幾月
もう少しもう少し
もう少しで君を追い出せる
意識の海の深みから
なのにいつも台無しさ
春の三日月が
秋の夕焼けが
季節の記憶を乱すから
風が吹くから心を晒した
春紫苑は笑う
月が泣くから夢を捨てた
春紫苑は笑う
僕らの時が幾許過ぎて
僕らの愛が幾千死んで
春紫苑はやっぱり笑う
春の野でいつも