黄昏の記憶

  帰りたい帰ろうよ
  オレンジの光が呼んでいる

  どこへ?どこへ?
  記憶の欠片が泣いている

  時間がないの
  なのにわたしも帰れない

黄昏の記憶

羨みの呪縛

 人から羨ましがられるのは嫌い。ほぼ例外なく的外れだから。

 羨む人はおおよそ冷静ではない。素晴らしく見える相手の状況に自分を正当化する言い訳を上乗せし,自分の想像を事実であると誤認し,勝手に羨む。
 羨まれた方はいい迷惑だ。

 訂正するのもばかばかしいが,放っておくと妄想を一方的に押し付けられた気分の悪さは永久に私の上に留まってしまう。
 人の振り見て我が振り直せ。
 人を羨まぬよう気をつけよう。相手に言った瞬間,羨みはただの嫉みに変わることを肝に銘じていよう。

 羨むと褒めるは違うと思う。素敵なものを羨まず純粋に褒めることができる感性,手放しで好きだと言える心を持っていたい。

君の笑顔に乾杯

木造りの大きなテーブルで

  木造りの大きなテーブルに
  包まれ広がる紅茶の香り

  胸が密かに高鳴った
  大人になりかけだった遙けき日

  木造りの大きなテーブルで
  こぼれて溢れた記憶の欠片

  ひとり座ったティールーム
  遠い昔の彼女の時間

とき

撮影は愛情の軌跡

 周囲に持つ風景は人それぞれだが,間違いなく言えることは,どこに住んでいても五十歩百歩だということ。絵のような風景に囲まれて暮らしている人などそうそういるものではない。ただ,どんな場所にだって美しい部分,美しく見える角度,そして美しい瞬間がある。

 もし自分の周りに撮るものが何も無いと思うなら,それは風景を切り取る術が未熟なだけ。周りを見る目に愛情が足りないだけのこと。
 自分に属するものたちの魅力に気づけない感性なら,例えどんな素敵な場所へ行っても魅力を引き出すことはできないだろう。写真は被写体への愛情のまなざしなのだから。

黄金の季節

香りの記憶

  黄金の道

  踏みしめられた葉っぱの上を
  無心に歩いた

  ぎんなんの香

  あの道もこんな香りがしていたね
  あの道もそしてあの時も

  変わらぬ時を君に願う

黄金の散歩道