幽けきは

幽けきは紅に染まりし命の扉
幽けきは明日を信じぬ今日の夢
幽けきは愛し愛せぬ心の軌跡
幽けきは

刹那の紅のように、みんなみんな儚いね。

巡る記憶と風と雲

山越え流れる時雨雲
君といつか会っただろうか
かの人ありし遠い日に

天駆け抜ける隼の風
君はあの日の風だろうか
攫った温もりを返してはくれまいか

星周り風巡り人は去り
明日なんてわたしは信じない

雲凍て空陰り雪は積む
せめて今日だけとわたしは願う

巡る記憶と風と雲

この瞬間よ続いて下さい。みんなみんな逝かないで。

野分ゆき

記憶の彼方で霞む幻のような時間
今となっては無かったようなものね
いいえ無かったよりも悪いわね

割れた鏡に壊れた時計
君たちは悲しいの?君たちは幸せ?

幻になった輝きは悲しすぎる
霞んでなお消えないなんて切ないわ
割れたカップは捨てるしかないの

野分ゆき

やがて苦しみに変わる輝きだって知っていたら。

溢れた葉っぱに明日の命
船は遠く時は遙か
涙はたぶん空の向こう

さらさら乾いて歩みを守る
道幅はいつも一人分だから

刹那の交点は永遠の杖
去りゆく君を待ちわびる

途

ただ歩くだけ。独り歩くだけ。途は私だけのもの。

約束

揺らぐことなき静寂な大気の下
僕はジルコニアの月を見上げ
時空の奏でる音色に耳を傾ける
心を研ぎ澄まそうと懸命になる

信じているのだ独りじゃないと
君がどこかにいるのだと
たとえ幾許の時がすれ違おうと

約束

この果てしなき時空のどこかで、君をきっと探し出す。