お星さまになる世界

(2018/02/07)

「死」の表現全てを「お星さまになる」で表すことが義務となった世界のお話。

「一緒に死のう」→「一緒にお星さまになろう」
「交通事故で亡くなりました」→「交通事故でお星さまになりました」
「殺すぞ」→「お星さまにするぞ」
「核爆弾で皆殺しだ」→「核爆弾でみんなお星さまだ」
「お星さま」は「死」より怖くない。
だからみんなお星さまになってしまったそうだ。


「お星さまになる」って言葉,私は比較的聞く機会が多い。
オカメインコを飼っていて,
自然とペットを飼っている人の話をネットで読む機会が多いから。
ペットが死ぬのは悲しい。
けれどペットが飼い主より長生きしたらそちらの方が悲惨。
それをみんなよく分かっていて,
いなくなったペットのことを「星になった」と表現し,
心に折り合いをつけている…のだと思って読んでいる。
いつか自分にも訪れるその日を恐れながら。
 
ペットもそうだが,親しい者の死を「お星さまになる」と言えば
もう二度と会えない事実は変わらなくても,
確かに何かしら救われた気になれる。
でもそれを地球規模で外交問題にまで適用すると
ここまで意味合いが変わってしまうとは!
大量破壊兵器だって大量お星さま発生装置。
みんなお星さまにされるだけ。
それほど怖いことでもないイメージになってしまう??

目からうろこだった。
恐るべし言霊。

節分は豆撒きの日です

(2018/02/03)

太巻き寿司がまだ関西独特だった頃。
たまたま京都に住んでいて,
会社のお昼の時に「今日はお寿司食べる日でしょ」と言われ,
「????」と思った。

あれから何年。
今やいったい何って感じの世の中になってしまった。
豆撒きの日だよね。

ところでラムちゃんを思い出すね。

懐かしいものが見える窓

(2018/02/01)

もう作られていないラムネの瓶。
あの瓶の中のビー玉は、やたらワクワクする特別な存在だった。
何とかして瓶はそのまま,ビー玉だけ取り出せないだろうかと四苦八苦したり。
窓際に置いて夏の日射しに輝く瓶を眺めて美しさにうっとりしたり。
 
夏草が生い茂る草原の真ん中の秘密基地。
お決まりのようにガラクタの宝物をごちゃごちゃ置いて、
秘密とか基地とかそんな単語にワクワクしてた。
 
真ん中だけバニラアイスだったかき氷。
氷がちょっと苦手だった私もあれならバニラを楽しみに食べられた。
 
子供だった昔の,まだゆっくりと流れていた時間の中。
何もかも過ぎ去って消えてしまった。
ただ思い出だけが,窓の向こうで心を支え続けている。

冬恋

(2018/01/30)

春の陽気に狂わぬよう
夏の光に融けぬよう
巡る幾春幾夏を
冬待ち焦がれつつ生きている

雪の寒椿

(2018/01/26)

Schneeweißchen……
雪のように白い肌,薔薇色の頬と唇に漆黒の髪。
白雪姫が日本に生まれていたら寒椿がよく似合っていただろう。