さようならさようなら、今年の葉っぱたち。
春はあんなに若々しく綺麗で希望に溢れていた。
夏は木陰を作って道行くわたしを助けてくれた。
でも、もうお別れの時。
好きだったあの桜の木も、今頃色づいているだろうか。
遠い街で、懐かしい家の脇で。
季節はゆきて人は老い、わたしはいつも悲しい。
でも木々が優しいから、風が美しいから生きてゆける。
さようならさようなら、今年の葉っぱたち。
春はあんなに若々しく綺麗で希望に溢れていた。
夏は木陰を作って道行くわたしを助けてくれた。
でも、もうお別れの時。
好きだったあの桜の木も、今頃色づいているだろうか。
遠い街で、懐かしい家の脇で。
季節はゆきて人は老い、わたしはいつも悲しい。
でも木々が優しいから、風が美しいから生きてゆける。
強い風に吹かれたら
きっと折れない心が手に入る
あるいは戻れぬ場所へ飛んでゆける
激しい雨に打たれたら
きっと濡れない瞳が手に入る
あるいは溶けて消えられる
厳しい寒さに凍えたら
きっと固く凍った想いが手に入る
あるいは凍えを知らぬ氷になれる
雨に打たれ雪に埋もれ
風に凍え灼熱で焼かれた
なのに今日もわたしは生きている
夢も輝きも君と共に消えたのに
あなたを求め言葉が彷徨う
もうどんな答も返らない
わかっているのに
空を見上げ涙を心に追い返す
どんなに優しい言葉もまなざしも
束の間の花なのだ
明日を待たずに散りゆくさだめ
消えてゆく
きらめいた笑顔の面影も
抱きしめた残り香さえも
冷たい雨に芯から冷えて
彼女を想う
きっとこんなに冷たくて
きっとこんなに寒かった
もう届かない遠い日々
やるせなくて哀しくて
金木犀の枝を弾いた