今もまだいつも

    あなたを求め言葉が彷徨う

    もうどんな答も返らない
    わかっているのに

    空を見上げ涙を心に追い返す

今もまだいつも

そしてわたしは雑踏に埋もれあなたの残照を追いかける。

ラスト・ノート

   どんなに優しい言葉もまなざしも
   束の間の花なのだ
   明日を待たずに散りゆくさだめ

   消えてゆく
   きらめいた笑顔の面影も
   抱きしめた残り香さえも

ラスト・ノート

あの日の煌めきはみんな本物だったのに。

十月の雨

    冷たい雨に芯から冷えて
    彼女を想う

    きっとこんなに冷たくて
    きっとこんなに寒かった
    もう届かない遠い日々

    やるせなくて哀しくて
    金木犀の枝を弾いた

露ぬれた金木犀

あの日の空から帰ってきたかの如く、金木犀は優しい香りで包んでくれた。

季節は往きて

季節の彩りのように、人生の彩りも入れ替わってゆく。

後ろばかり向いて寂しがっていたいと、たまに思う。
とわに去ったとしても、それらの輝きは生きる意味だった。

そして新しい季節をいとおしいと思う。
今朝の目覚めは、今日の私を支える貴方に会うためなのだ。

季節は往きて

あなただけは去らないで。どうしてそう願わずにいられよう。

あきあかね

   無数に輝く翼たち
   いつかの空へ続く道

   想いを封じ
   ただ見上げて風になる

あきあかね

無数の空で何度も君に出逢った。