五月といえば日本では春から初夏へと移りゆく若葉の季節ですが,英国でも花々が競うように咲き乱れる青葉の美しい季節です。
五月の英語名“May”はそういった様子を表しており,“マイア(Maia)に捧げる月”という意味です。
マイアは,繁殖や成長を司るローマ神話の春の女神。5月1日のマイアの祭日は,メーデーの起源になっています。
ギリシャ神話でアトラスの7人娘の一人がマイアですが, May の起源となった女神とは無関係です。
生命の力強さを感じる月“May”という言葉には,人間の若い盛りを示す“青春”という意味があります。
また,バラ科の低木“サンザシ”の英名でもあります。5月頃に白や紅色の花をつけるサンザシ(山査子)は,May Flower または単に May と呼ばれ,英国では生垣として好まれます。
“May”はメアリー(Mary)の愛称で,女性の名前でもあります。
マイアの祭日5月1日に英国で行われるMay Day(五月祭)と呼ばれる春祭りでは,この日のために選ばれた少女May Queen(五月姫)が花の冠をかぶって座り,その前にはリボンや花々で飾られたMaypole(五月柱)が立てられます。
集った人々は,May Queen に捧げるための歌や踊りを Maypole の周りで披露し,春の訪れを楽しみ祝います。
5月のお話
・皐月
・立夏と小満
・筍梅雨・青嵐・メイストーム・茅花流し・走り梅雨・卯の花腐し
・Full Milk Moon(ミルクの満月)
・蛙始鳴(かわずはじめてなく)