小寒と大寒

 季節の歩みを話題にするとき,立春・大暑・白露・大雪などの名前をよく耳にします。
 これらは二十四節気(にじゅうしせっき)と言って,太陽の黄道上の位置によって決められた季節区分です。太陽の黄経(おうけい)(※)が0度になった時を“春分”,そこから太陽が15度進むごとに,清明・穀雨・立夏・小満…と名付けられています。

(※)黄経とは,天球上で太陽が通る道=黄道における経度のことです。春分の時の太陽の位置=春分点から東回りに計ります。

 七十二候(しちじゅうにこう)は,この二十四節気を細分化し気候を表したものです。
 区分が細かすぎて実用的でなく,実体不明な動植物の名も多いことから,現在では半夏生を除きあまり使われていません。


小寒

 太陽の黄経が 285度。
 冬至から数えて15日目。太陽暦で毎年1月5日~6日頃。
 小寒(しょうかん)は,その名の通り,“寒さがようやく厳しくなる季節”という意味です。
 立春前の30日を一年で最も寒い頃という意味で“寒”(かん)と呼びます。そして,この前半15日が小寒,後半15日が大寒です。二十四節気の小寒は,この15日間の小寒が始まる日を指しており,「寒の入り」とも呼ばれます。

初候 芹乃栄
せりすなわちさかう
せりが盛んに茂る頃
次候 水泉動
しみずあたたかをふくむ
地下の水脈が温まる頃
末候 雉始
きじはじめてなく
雉が鳴き始める頃
小寒に迎える七十二候

大寒

 太陽の黄経が 300度。
 小寒から数えて15日目。太陽暦で1月20日頃。
 大寒(だいかん)は,「寒」の後半15日が始まる日で,一年中で最も寒い時期とされています。「寒」の最後の日が節分で,「寒」が明けた日が立春となります。
 「寒中見舞い」は寒中,小寒から大寒の間に出します。年賀状の代わりに出す場合は,松の内が過ぎてから立春前に届くように出します。

初候款冬華
ふきのはなさく
ふきの花が咲く頃
次候水沢腹堅
さわみずこおりつめる
沢の水が凍って堅くなる頃
末候範始乳
にわとりはじめてとやにつく
鶏が卵を温める頃
大寒に迎える七十二候

1月のお話

睦月
January
小寒と大寒
霧氷・雪起こし
Moon After Yule
節句
福笹
公顕祭とクリスマス・ツリー
どんどや


ミラハウス歳時記 INDEX

十二の月のお話
二十四節気と七十二候
節句
雑節(ざっせつ)
いろいろな季節のお話

初心者必見! 太陽や月や星を眺めるためのちょっとしたコツや,知っていればより楽しくなる情報です。