寒露と霜降

 季節の歩みを話題にするとき,立春・大暑・白露・大雪などの名前をよく耳にします。
 これらは二十四節気(にじゅうしせっき)と言って,太陽の黄道上の位置によって決められた季節区分です。太陽の黄経(おうけい)(※)が0度になった時を“春分”,そこから太陽が15度進むごとに,清明・穀雨・立夏・小満…と名付けられています。

(※)黄経とは,天球上で太陽が通る道=黄道における経度のことです。春分の時の太陽の位置=春分点から東回りに計ります。


 七十二候(しちじゅうにこう)は,この二十四節気を細分化し気候を表したものです。
 区分が細かすぎて実用的でなく,実体不明な動植物の名も多いことから,現在では半夏生を除きあまり使われていません。

二十四節気と七十二候


寒露

 太陽の黄経が 195度。
 秋分から数えて15日目。太陽暦で毎年10月8日~9日頃。
 寒露(かんろ)は,“露が冷気にあって凍りそうになる頃”という意味です。
 晩秋から初冬の頃に降りる露のことを,寒露と呼ぶこともあります。

初候鴻鴈来
こうがんきたる
北から雁の群れが飛んでくる頃
次候菊花開
きくのはなひらく
野菊が咲く頃
末候蟋蟀在戸
きりぎりすとにあり
きりぎりすが家の中で鳴く頃
寒露に迎える七十二候

霜降

 太陽の黄経が 210度。
 寒露から数えて15日目。太陽暦で10月23日~24日頃。
 霜降(そうこう)は,“冷気によって露が霜となって降り始める頃”という意味です。
 霜降という言葉は霜が降りることを指していますが,これを“しもふり”と読むと,霜のような細かい白い点が一面にある模様を指します。白い脂肪が網の目のように入りこんだ牛肉のことも“しもふり”と呼びますね。

初候霜始降
しもはじめてふる
初霜が降りる頃
次候霎時施
こさめときどきふる
秋雨が降る頃
末候楓蔦黄
もみじつたきばむ
紅葉の頃
霜降に迎える七十二候

10月のお話

神無月
October
寒露と霜降
秋晴れ・露
Harvest Moon
お月見
輝け、十月の太陽よ(セイタカアワダチソウ)


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