街にはクリスマスの音楽が流れ,寒く澄んだ空気にイルミネーションが映える12月。
旧年の用事を片づける忙しい月であることから,日本では12月を師匠や法師でさえも忙しさに走る月,師走と呼んできました。
古代ローマの10月
12月の英語名は December ですが,この単語には一年の最後の月にちなんだ要素は全く含まれていません。それどころか,「10番目の月」という意味で,12月ですらないのです。
9月,Septemberの由来の話でも書きましたが,古代ローマの暦では3月が一年の始まりでした。今の12月は3月から数えて10番目の月なのです。
9月のSeptember(7番目の月),10月のOctober(8番目の月),11月のNobember(9番目の月)に引き続き,12月のDecember(10番目の月)も,3月に新年を迎える古代ローマ暦の順序で呼んだ名前ということです。
December の “decem-” は “deca-” と同じく「10」を意味する連結形。
10角形(decagon),10グラム(decagram),10年(decade)など様々な単語に使われています。
旧約聖書の「モーセの十戒」(the Decalog)や,ボッカチオの『デカメロン』(Decameron,十日物語)のように,歴史的に有名な書物の名前にもなっています。
12月のお話
・師走
・December
・大雪と冬至
・時雨・寒波・年末低気圧
・閉塞成冬(七十二候 大雪~冬至)
・Hunter’s Moon
・アドベント