六月といえば梅雨ですね。
今月は梅雨に関係する天気用語をご紹介しましょう。
入梅(にゅうばい)
梅雨に入ること。
暦の上では太陽が黄経80度を通るときで,毎年6月11日~12日に訪れますが,気象学的には毎年梅雨前線の動きや気圧配置を見ながら気象庁が発表します。広くは梅雨の期間全体を指すこともあります。
栗花落(ついり)
梅雨入りのこと。
語源は中世にさかのぼります。丁度この頃には栗の花が咲き散るため,長雨に栗の花が墜ちる頃という意味の栗花落(ついり)・墜栗花(ついり)が「つゆいり」となり,生活の中で梅への指向が進むにつれ,文字は「栗の花」から「梅の実」へと変わっていったようです。
梅雨(ばいう)
梅の実が熟する頃の雨。黴(カビ)を生ずる雨という意味で,黴雨(ばいう)とも書きます。
長雨(ながめ)
長い雨という意味で,梅雨の別名です。
青梅雨(あおつゆ)
青梅の生る季節の雨という意味で,梅雨の別名です。
芒種雨(ぼうしゅあめ)
二十四節気の芒種の頃(6月6日頃)の雨という意味で,梅雨の別名です。
水取雨(みずとりあめ)
田植えに必要な雨という意味で,梅雨の別名です。
麦雨(ばくう)
麦が熟する頃に降る雨のことで,梅雨の別名です。
梅雨の中休み
梅雨の最中に,しばらく晴れ間が続くことを言い,6月20日前後によくあらわれます。
空梅雨(からつゆ)
梅雨の季節なのにほとんど雨が降らないことをこう呼びます。
梅雨寒(つゆざむ)
4月の花冷え,5月の若葉寒に対し,梅雨の頃の寒さを梅雨寒と呼びます。梅雨の長雨で日照時間が短く気温が上がらないため,肌寒く感じることが原因です。梅雨冷え(つゆびえ)とも言います。
荒梅雨(あらづゆ)
梅雨末期の大雨のことで,暴れ梅雨(あばれづゆ)とも言います。
五月雨(さみだれ)・皐月雨(さつきあめ)
“五月(さつき)の水だれ”という意味で,五月(皐月・さつき:旧暦5月)に降る雨,つまり梅雨のこと。この頃の雲を五月雲(さつきぐも),この雲によって暗くなることを五月闇(さつきやみ)と呼びます。
五月晴れ(さつきばれ)
五月雨の間の晴れ間,つまり梅雨の中休みのことですが,現在では5月の爽やかな晴れを指して言う場合も多いようです。
6月のお話
・水無月
・June
・芒種と夏至
・Flower Moon(花の満月)
・螳螂生(かまきりしょうず)
・サクサイワマンの太陽の祭り
・聖ヨハネ祭と Midsummer Day
参考
- 〔精選版〕日本国語大辞典
- 空の名前(高橋健司著,光琳社出版)