10月に入ると大陸の高気圧に覆われ,カラリと乾燥してきます。空気中の水蒸気が減ってが澄んでくるため,空は高く青くなっていきます。
10月の晴天は,秋の収穫や運動会,お祭り等々多くの行事に活用されますね。
秋晴れ(あきばれ)
よく澄んで晴れ渡った秋の空のこと。
秋晴れの空が青く澄み渡っているのは,この頃の大気にチリや水蒸気が少ないため,太陽光の中で波長が短い青系の光が多く拡散されることが原因です。秋は高いところに雲が出やすいことも,空が高く見える原因になっています。
露(つゆ)
夜の冷え込みで空気中の水蒸気が凝結し,地面や地面の上にある物の表面にできた水滴のこと。気温の日較差が大きいとできやすく,春先にもよく観察されます。
ところで,露といえば草木の表面についた水滴のことを思い浮かべる人も多いと思いますが,気象観測では草や木の葉についた水滴は露に含めないことになっています。草木には,アブラムシの分泌物である甘露(かんろ)や,湿度の高い時に草木の中からにじみ出た水分が蒸発せずに残る露珠(つゆだま)という水滴がついていることがあるためです。
紅葉前線(もみじぜんせん/こうようぜんせん)
カエデの紅葉日の等期日線のことを言います。
「等期日線」とは聞き慣れない言葉ですが,カエデの紅葉が始まったと発表された日付の等しい地点をつないだ曲線のことです。気象庁では決められた生物の季節観測を行ってウェブページなどで公表していますが,「かえでの紅葉日」もその一つです。紅葉前線は毎年10月半ば頃に北海道を出発し,少しずつ南下していきます。
観測対象のカエデは土地によって異なっていて,北海道ではヤマモミジ・オオモミジ・イタタカエデ,本州以南ではイロハモミジです。
10月のお話
・神無月
・October
・寒露と霜降
・鴻鴈来(七十二候 寒露~霜降)
・Harvest Moon
・お月見
・輝け、十月の太陽よ(セイタカアワダチソウ)
参考
- 〔精選版〕日本国語大辞典
- 空の名前(高橋健司著,光琳社出版)