立秋と処暑

 季節の歩みを話題にするとき,立春・大暑・白露・大雪などの名前をよく耳にします。
 これらは二十四節気(にじゅうしせっき)と言って,太陽の黄道上の位置によって決められた季節区分です。太陽の黄経(おうけい)(※)が0度になった時を“春分”,そこから太陽が15度進むごとに,清明・穀雨・立夏・小満…と名付けられています。

(※)黄経とは,天球上で太陽が通る道=黄道における経度のことです。春分の時の太陽の位置=春分点から東回りに計ります。


 七十二候(しちじゅうにこう)は,この二十四節気を細分化し気候を表したものです。
 区分が細かすぎて実用的でなく,実体不明な動植物の名も多いことから,現在では半夏生を除きあまり使われていません。

二十四節気と七十二候


立秋

 太陽の黄経が 135度。
 大暑から数えて15日目。太陽暦で毎年8月7日~8日頃。
 陰暦七月の節で,暦の上で秋が始まる日。初めて秋の気配が現れてくる日のことです。
 暑さの峠である土用は立秋に明け,これ以降の暑さは“残暑”と呼ばれます。実際に立秋を境目に1日の平均気温は少しずつ低くなり,季節は秋へと進み始めます。

初候涼風至
すずかぜいたる
秋風が吹き始める頃
次候寒宙鳴
ひぐらしなく
ひぐらしが鳴き出す頃
末候蒙霧升降
ふかききりまとう
深い霧が立ちこめる頃
立秋に迎える七十二候

処暑

 太陽の黄経が 150度。
 立秋から数えて15日目。太陽暦で8月23日~24日頃。
 暑さの峠を越えて後退し始める頃,という意味です。

初候綿析開
わたのはなしべひらく
綿花の萼(がく)が開く頃
次候天地始粛
てんちはじめてさむし
寒くなり始める頃
末候禾乃登
こくものすなわちみのる
穀物が実る頃
処暑に迎える七十二候


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