ラマス(Lammas Day, Loaf Mass Day)
ペトロは二本の鎖でつながれ,二人の兵士の間で眠っていた。
使徒言行録12:6-7『聖書』新共同訳/日本聖書協会
番兵たちは戸口で牢を見張っていた。
すると,主の天使がそばに立ち,光が牢の中を照らした。
天使はペトロのわき腹をつついて起こし,「急いで起き上がりなさい」と言った。
すると,鎖が彼の手から外れ落ちた。
8月1日は,英国では新麦の粉で作ったパンを神に捧げて祝う収穫祭,ラマスです。Lammas とは,Loaf Mass,つまりパンの塊のミサのことです。
ケルトの古い習慣を受け継いだものですが,スコットランドでは,今もラマスは四期制勘定支払日(quarter day)として名残を留めています。また,カトリックでは,使徒ペテロの投獄と奇跡的脱出を記念する日(聖ペテロの鎖の記念日)です。
ラマスの起源となっているのは,ケルトで用いられていた4つの季節です。
高緯度に住むヨーロッパの人々にとって,キリスト教以前の時代から重要だったのは,夏の到来を喜び五穀豊穣を祈る5月1日の五月祭。
そして,長く厳しい冬を迎える前に,先祖の霊を我が家の炉辺に迎える11月1日のハローマス(Hallomas)。
この中間に,2月1日のキャンドルマス(Candlemas)と8月1日のラマス(Lammas)が配置されていきました。
ただし定説はなさそうで,資料によって,五月祭は聖霊降臨節(Whitsuntide,イースター後第7の日曜日)に,ハローマスはマルティヌス祭(Martinmas,11月11日)に変わります。
また,現代では太陽の動きを基準として春分・夏至・秋分・冬至によって4つの季節を分けますね。
この基準日が下記の祭になっており,これらは今もイングランドの四期支払日です。
・Lady Day(聖母マリアのお告げの祝日,3月25日)
・Midsummer day(夏至祭,6月24日)
・Michaelmas(ミカエル祭,9月29日)
・Christmas(クリスマス,12月25日)
こうして分けられた4つの季節の中心,その季節の盛りの時期にあるのが下記の4つの祭になります。
・五月祭(5月1日)
・ラマス(8月1日)
・ハローマス(11月1日)
・キャンドルマス(2月1日)