霜月とも呼ばれる十一月は,冬の入り口に当たる月です。
十月の後半あたりから,ちらほらと初霜・初氷・初雪の便りが届き始めます。
霜(しも)
無風状態で冷え込んだとき,空気中の水分が冷えて地面や作物などに凍り付く現象のこと。早霜が起こるとイネに被害が出たりします。
冷たい空気は重く,低い方へと流れていきます。霜が降りるときに冷気が流れる道のことを霜道(しもみち),局所的に霜が集まる場所のことを霜穴(しもあな)と呼びます。
霜柱(しもばしら)
地中の水分が地面ににじみ出て,地上の低温にふれて凍る現象。
水分は土の隙間を次々と上ってきて凍るため,霜柱は下へ下へと成長していきます。
小春日和(こはるびより)
晩秋から初冬にかけての春のように穏やかな晴天のこと。
朝晩は冷えても日中はぽかぽかと暖かくなります。小春は旧暦十月の別称で,現在の暦では11月~12月初めに相当します。
世界各国に同じような天気があり,中国では小陽春(小阳春/ピンイン),アメリカでは,インディアンたちが冬支度をしたり南へ移動したりするためインディアンサマー,ドイツでは,老婦人が見せる一瞬の美しさに例えて老婦人の夏,ロシアやポーランドでは,夏に家事に追われた主婦が一休みする季節,又は寒さに備えて額に汗をしながら織物をする季節という意味で女の夏と呼んでいます。
木枯らし一号(こがらしいちごう)
西高東低の冬型気圧配置になったとき,その年の秋に初めて吹く北西の季節風のこと。気象庁からの発表は東京(気象庁)と大阪(大阪管区気象台)のみで行われ,東京と大阪では基準も異なっています。
「木枯らし」は「木あらし」が転じた言葉であるとか,「木を吹き枯らす」という意味であるという説があります。
- 東京:10月半ばから11月末まで・西高東低の冬型気圧配置・風向が西北西~北・最大風速が風速8 m/s以上
- 大阪:霜降(10月23日ごろ)から冬至(12月22日ごろ)まで・西高東低の冬型気圧配置・北よりの風で最大風速8 m/s以上
11月のお話
・霜月
・November
・立冬と小雪
・山茶始開(七十二候 立冬~小雪)
・Harvest Moon
・アドベント
参考
- 〔精選版〕日本国語大辞典
- 空の名前(高橋健司著,光琳社出版)