変化朝顔(ヘンゲアサガオ)

2025年08月の星空

星空解説

 夏休みで星を見る機会が多くなる8月は,1日~7日が「スター・ウィーク~星空に親しむ週間~」となっています。
 星を見るイベントなど地域の情報などに注意しましょう。

 ・STARWEEK
 ・スター・ウィーク実行委員会(X)


惑星


 来月を迎える土星がかなり見やすくなってきました。火星は日没後の西空低く見えていますが,すぐに没してしまいます。
 土星はうお座を移動中で,午後11時には南東の空高く,地平線高度30度くらいの位置に見えています。

ミラ
環が見えない土星は貴重だよ!

 土星の環は2009年に真横から見た後,北から眺める形になっています。2017年に一番大きく広がった姿になり,今年2025年の秋頃には環を真横から見る状態となります。このため望遠鏡で見ても環はほとんど見えません。
 環の様子は毎年変わりますので,小望遠鏡があったら環が見えない土星をスケッチに残しておきましょう。

 火星や木星や土星などの惑星は,初心者が小望遠鏡で観察しやすい対象です。スケッチのために繰り返し一生懸命に見ていると,だんだん目が惑星に慣れて模様が見えるようになってきます。惑星の模様が見える目は,この「慣れ」によって養われます。スケッチは惑星を見る目を育てるのにとても良い手段なのです。

 望遠鏡で見るときは,高倍率にすると望遠鏡の視野に入れておくのが大変なので低倍率から始めましょう。

 望遠鏡がなくても,地域で観望会などがあったら行ってみましょう。


 明け方の東の空で金星木星が並び,19日に西方最大離角となる水星も加わって賑やかです。19日は細い月もあり,一層華やかな空になります。

明け方の月と惑星(2025-08-19 04:30 東京)
明け方の月と惑星 (2025-08-19 04:30 東京)

 木星も土星と同じく小望遠鏡での観察に適した惑星です。
 望遠鏡があったら,ぜひ低倍率で見てみましょう。縞模様や衛星を見ることができます。

 木星の近くに衛星が見えたら, ガリレオ衛星(※)と呼ばれる4個の衛星のどれかです。

※ ガリレオ衛星
 望遠鏡を発明したイタリアの学者,ガリレオ・ガリレイによって1610年に発見された木星の4個の衛星。
 木星に近い順にイオ,エウロパ,ガニメデ,カリストと呼びます。
 ガニメデは太陽系で一番大きな衛星,イオは活火山があることで知られています。


ペルセウス座流星群

 毎年お盆休みの頃にピークとなるペルセウス座流星群
 今年の極大は13日の5時頃です。極大を見るなら12日〜13日の夜となりますが,9日が満月・16日が下弦なので,夜の早い時間帯を除いてほぼ一晩中月明かりがあります。

 ペルセウス座流星群の流星は明け方に向かって増えていきますが,これは流星群の輻射点(放射点)があるペルセウス座が高くなるのが夜半過ぎだからです。
 輻射点が高くなると見える流星も多くなるというわけです。できたら薄明が始まるまで見てみましょう。

 ペルセウス座流星群は,月がない好条件なら多い年で1時間に60個(HR60)くらいの流星が期待できます。IMO(国際的な流星の組織)の予報には ZHR=100 と記載されています。

 今年は月明かりがありますが,できるだけ空が暗い場所に寝転がって,月が視野に入らないようにして空を眺めましょう。ペルセウス座流星群には明るい流星も多く流れます。
 観測を計画しておられる方は,流れ星を見てみよう のページを参考にしてください。


 16日に極大となるはくちょう座κ流星群は,1時間に2~3個の小規模な流星群です。比較的ゆっくり流れ,速く流れるペルセウス座流星群の流星と対照的です。
 火球が見られることがあります。


伝統的な七夕

ケイト
上弦の月齢は,
平均 7.38日!

 今年の旧七夕(伝統的な七夕)は8月29日です(※)。

 七夕は,昔,明治6年(1873年)以前は旧暦(太陰太陽暦)の7月7日に行われていました。

 旧暦7日の夜は月齢が6くらいで,上弦前となります。このため夜半を過ぎると月明かりのない星空が見られました。織り姫星(こと座のベガ)は天頂付近にありますので,見つけてみましょう。
 夏の星座を探してみようのページを参考にしてみて下さいね。

※ 伝統的な七夕:
 太陰太陽暦による7月7日に近い日ということで,現在では次のように定義されています。
「二十四節気の処暑を含む日かそれよりも前で,処暑に最も近い朔(新月)の瞬間を含む日から数えて7日目」
2025年は8月23日が処暑であり新月なので,7日後の8月29日が伝統的七夕となります。
 参考:伝統的七夕について教えて | 国立天文台(NAOJ)


南中する星座

午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

上旬へびつかい座ヘルクレス座りゅう座・さいだん座(☆)
中旬へび座(尾部)
下旬こと座たて座みなみのかんむり座

夏の星座
夏の全天星図


見やすい星雲星団

惑星状星雲M57 (環状星雲/こと座)
M27 (あれい状星雲/こぎつね座)
散光星雲M8 (干潟星雲/いて座)
M17 (ω星雲,馬蹄型星雲/いて座)
M20 (三裂星雲/いて座)
ほか天の川に多数
散開星団M21・M23・M24・M25 (いて座)
M6・M7 (さそり座)
ほか天の川に多数
球状星団M4・M80 (さそり座)
M10・M12 (へびつかい座)
M13・M92 (ヘルクレス座)
M56 (こと座)
銀河(系外星雲)M51 (子もち星雲/りょうけん座)
M101 (おおぐま座)

星雲星団を見よう
星雲星団一覧表


2025年8月のカレンダー

 曜日月相天文現象
1上弦の月のイメージ水星 (☿) が内合:08時41分
上弦:21時41分
八朔・水の週間
2月が最遠(距離 1.051):05時36分
青森ねぶた祭
3秋田竿灯まつり
5一粒万倍日・三隣亡
6広島原爆の日
7立秋(太陽の黄経 135度):14時52分
立秋以降は残暑見舞い。
鼻の日・仙台七夕
天しゃ・不成就日
8小惑星 (2) パラスが:06時13分
9満月のイメージ満月(望):16時55分
長崎原爆の日
末伏
10三隣亡
11🎌 山の日
水星 (☿) が留:03時02分
八せん始め・一粒万倍日
12木星と金星が合:14時30分(離角 0°52′)
13ペルセウス座流星群🌠が極大:05時頃
15月が最近(距離 0.961):02時59分
月遅れ盆・戦没者追悼・平和祈念の日
不成就日
16下弦の月のイメージ下弦:14時12分
はくちょう座κ流星群🌠が極大
京都五山送り火
19水星(☿)が西方最大離角(離角-18°35′):19時
庚申
22八せん終り・三隣亡
23新月のイメージ処暑(太陽の黄経 150度):05時34分
新月(朔):15時07分
甲子・一粒万倍日
24天王星(♅)が西矩:16時15分
京都地蔵ぼん
25不成就日
27水星が近日点通過(距離 0.307au):21時10分
28己巳
29旧七夕(伝統的七夕)
文化財保護法施行記念日
30月が最遠(距離 1.052):00時34分
31上弦の月のイメージ上弦:15時25分
二百十日立春を起算日とし210日目)

2025年/令和7年/皇紀2685年/平年/ 乙巳(きのとみ)

・山の日 8月11日。山に親しむ機会を得て山の恩恵に感謝する。

惑星用語の説明
月の形の変化について


8月のお話

葉月
August
立秋と処暑
土用波・秋日照り・夏台風・迷走台風
涼風至(七十二候 立秋~処暑)
Grain Moon
ラマス(Lammas Day)
二百十日と二百二十日

変化朝顔(ヘンゲアサガオ)
変化朝顔(ヘンゲアサガオ)

データ出典

・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・アルゴル極小予報 食変光星「アルゴル」観測ガイド(倉敷科学センター)
・東京都神社庁選定「神社暦」