星空の魅力

星を見よう

 太陽が,地平線の彼方へ沈んでいきます。夕焼けの茜色がその色を失う頃,空を見上げてみましょうか。明るい星が見え始めているかも知れません。今日の一番星は何でしょう?

夕焼け
夕焼け

 まず,西の空から眺めてみましょう。ひょっとしたら,三日月が見えているかもしれません。それとも,ダイヤモンドのような宵の明星が輝いているでしょうか。上弦の半月なら南の空。木星・土星・火星などの惑星なら,東の空に見えていることもあるかも知れません。
 季節によっては,星座を形作る星の中で特に明るい1等星が,一番星として星空の始まりを告げていることでしょう。これらの明るい星々はそれぞれ固有の名前を持っていて,それを覚えると,星空はぐんと身近なものになってきます。

 さて,空が少しずつ暗くなってきました。星もたくさん見えてきましたね。そろそろ星座をたどることが出来るかもしれません。
 皆さんは,どんな星座を知っていますか? おひつじ座,おうし座,ふたご座,かに座など,星占いに出てくる黄道十二星座ならきっと聞いたことがあるでしょう。でも,意外と見つけたことは無いかもしれませんね。これらの星座は有名ですが,暗い星ばかりの星座も多く,都市部では見つけにくいかもしれません。
 北極星を探すときに使う北斗七星やカシオペア座は,どうでしょうか。どちらも街中でも見つけることができる星たちです。“北斗七星”は星座の名前ではなくて,おおぐま座という星座の一部を指して呼ぶ名前です。他にも,冬の空に輝く三ツ星で有名なオリオン座や,夏の空に大きなS字を描くさそり座などは,見たことがあるかもしれませんね。

 夜空には,日本から見えない星座も含めて88個もの星座があるのです。空を見上げてこれらの星座をたどることができるようになると,星空は,突然絵を描いたようににぎやかに見えてきます。
 けれど,暗い星々をたどったり星を繋いだりするのは,難しそうだと思っていませんか? そう,確かにちょっとだけコツが要ると思います。でも,落ち着いて星をたどっていけば,星座は必ずわかります。決して難しいものではないのです。

 星は,晴れた夜ならいつでもどこでも見える,身近な友だち。
 さぁ,準備をして,一緒に星を眺めに出かけてみましょうか。


星の光はかすか

 “星の数ほど”って言葉がありますね。これって,一体どれくらいの数を言うのでしょうか?

 大都市の街中だと,とっぷり日が暮れても,せいぜい10個くらいの星しか見えないかも知れません。多分,その時見えている星々は,1等星か,せいぜい明るい2等星くらいのものでしょう。星を見るには,同じ街の中でも,できるだけ周りの光が目に入らない,暗い場所を選ぶことが大切なのです。
 星を見るのにふさわしい,暗い場所を探しに行ってみましょうか? そうですね,近くの公園や路地裏,街灯や家々の窓から漏れる灯りが直接目に入って来ない,木陰や建物の陰はどうでしょう? 街の中でも,暗い場所には危険がいっぱい。十分気をつけて,誰にも邪魔されずに安心して星を見られる場所を探してみましょう。

 さて,場所が見つかったら,しばらくの間,目をこらしてじっと空を見つめてみましょうか。そう,すぐに見えると思ったら大間違い。星の光は微かなのです。星を見るためには,目を暗闇に慣らさなくてはなりません。
 ほら,明るいところから暗いところへ行ったとき,何も見えなくなって困ったことはありませんか? 人間の目は,暗さになれるのに少しばかり時間がかかるのです。最低でも10分から20分,暗い中で目を慣らしてみて下さい。少しずつ,見える星の数が増えていきますよ。

 もしできるならば,街を離れてみるといいでしょう。
 そうですね,大都市に住んでいるなら車で1時間から2時間,地方都市なら車で30分から1時間離れたところへ行ってみましょう。街明かりが見えないところが理想的。山の中などで,都市部の灯りが遮断されるところがいいですね。前もって,公園や展望台など目星をつけて出かけましょう。近くに利用できるトイレがあることも,星を見に行く時には大切な条件です。少年自然の家や一般公開をしている天文台などの,施設を利用するのも安心な方法でしょう。中には初心者向けに解説をしたり,望遠鏡を覗かせてくれるところもありますよ。
 そんな場所では,目が慣れる前からたくさんの星が見えているはずです。目が慣れてくると,雲と間違うような天の川も見えてくるでしょう。気をつけていれば,流れ星や人工衛星にも気が付くと思います。こんな暗い夜空で見える星の数は,だいたい2000個くらいだと言われます。

 星を見続けていると,毎年毎年,同じ時間に同じ場所へ同じ姿を見せてくれる星々は,まるで季節や時間を告げる時計のように思えてきます。星は時を測る物差しなのです。そんな風に星空を見上げることができたら楽しいですね。
 これから出発するのは,そんな星たちの世界を知るための親睦旅行。
 おっと,出かける前にちょっとだけ準備をしておきましょうか。安心して星空を楽しむためのABC。順番に見ていきましょう。